車いす女性が列車と接触し死亡 線路に挟まり逃げ遅れたか 香川

26日朝、香川県観音寺市のJR予讃線の踏切で、電動車いすに乗っていた75歳の女性が列車と接触して死亡しました。警察は目撃情報などから女性の車いすが線路に挟まり、逃げ遅れた可能性があるとみて当時の状況を調べています。

26日午前6時50分ごろ、観音寺市大野原町にあるJR予讃線の踏切で、電動車いすに乗っていた女性が高松駅から松山駅に向かう特急列車と接触しました。

警察によりますと、女性は近くに住む無職の石川フサ子さん(75)で、その場で死亡が確認されました。

警察によりますと、現場近くにいた中学生などから「電動車いすが線路に挟まり、電車に接触した」という通報が寄せられていて、列車の運転士は「ブレーキをかけたが間に合わなかった」と話しているということです。

踏切には警報機と遮断機が設置され、事故当時も正常に作動していたということで、警察は車いすが線路に挟まり、石川さんが逃げ遅れた可能性があるとみて当時の状況を調べています。

列車には乗客と乗員およそ30人が乗っていましたが、けがはありませんでした。

JR四国「警報機など正常に作動」

JR四国によりますと、事故現場には警報機と遮断機が設置され、当時も正常に作動していたことを確認したとしています。

また、踏切内で歩行者などが渡る通路には一定の段差はあるものの、まっすぐ進んだ場合は車いすが線路に挟まる構造にはなっていないとしています。

そのうえで「踏切に入る際には一時停止と安全確認を行い、周囲も異常に気付いたときにはためらわず緊急停止ボタンを使ってほしい」と話しています。

踏切について 住民「危ない意識はなかった」

事故が起きた香川県観音寺市大野原町の「花稲踏切」は、単線のJR予讃線と中央線のない市道が交わる、比較的小規模な踏切です。

死亡した石川フサ子さんは現場近くに自宅があり、ふだんから電動車いすで現場周辺を散策する姿を付近の住民が見かけていました。

住民の1人は「近くにある別の踏切で以前、死亡事故がありました。今回の踏切はそれより幅が広いので危ないという意識はなかった」と話していました。

専門家「列車接近の時間予測困難 余裕もって渡ることが必要」

電動車いすに乗った人が踏切内で電車に接触する事故は全国で相次ぎ、NITE=製品評価技術基盤機構によりますと、平成21年から昨年までに全国で17件が報告され、このうち11件が死亡事故でした。

香川県内でも、平成24年にJR高徳線の高松市昭和町の踏切で電動車いすの男性が列車にはねられて死亡する事故が起きています。

電動車いすの事故に詳しい香川大学創造工学部の鈴木桂輔教授は「高齢者は視野が狭く、列車が接近するまでの時間を予測することが難しいため、余裕をもって渡ることが必要だ」と指摘しました。

そのうえで「車輪が脱輪したり線路に挟まれたりしないよう、踏切の端を避け線路に直角に横断してほしい。車いすが動かなくなった場合はその場から離れて緊急停止ボタンをためらわず押してほしい」と呼びかけました。

香川大学は企業と連携して、踏切や道路の段差を感知して知らせるセンサーの開発を進めているということです。