自民総裁選前に臨時国会召集を 立民“補正予算編成 急ぐ必要”

新型コロナウイルス対策のための今年度予算の予備費が不足し、補正予算の編成を急ぐ必要があるとして、立憲民主党は、自民党総裁選挙の前の来月7日から10日間の日程で臨時国会を召集するよう自民党に求めました。

新型コロナウイルス対策をめぐって、菅総理大臣は25日、ワクチン接種や治療薬の確保などのために、今年度予算から1兆4000億円の予備費を支出する方針を明らかにしました。

これを受けて、立憲民主党の安住国会対策委員長は、自民党の森山国会対策委員長と26日、国会内で会談し、今回の追加支出で当初5兆円あった今年度予算の予備費は半分程度まで減って感染の急拡大に対応するには足りなくなり、補正予算を編成する必要があると指摘しました。

そのうえで、医療の危機的な状況などを踏まえれば、政治空白ができる前に予算編成を急ぐべきだとして、自民党総裁選挙の前の来月7日から16日までの10日間の日程で臨時国会を召集するよう求めました。

これに対し、森山氏は、持ち帰って政府側とも対応を検討したうえで、来週にも回答する考えを示しました。

自民 森山国対委員長「しっかりと予備費で対応」

自民党の森山国会対策委員長は、記者団に対し「臨時国会を開くかどうかは分からないが、われわれの任期も限られ、今後、一定期間、政治空白が予測されるところなので、その間でもしっかりと予備費で対応できるようなことは必要だと考えている」と述べました。

立民 安住国対委員長「菅首相の決断促したい」

立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「総裁選挙をやっても、自宅で療養している方々を誰ひとりとして助けることはできない。しかし、国会を開けば財源が枯渇しているところに手当てもできるし、必要なお金を積むこともできる。もし召集を拒否するのであれば、本当の意味で政治空白を自民党みずからが作ることになる。菅総理大臣の決断を促したい」と述べました。

自民 佐藤総務会長「決して悪い話とは思わない」

自民党の佐藤総務会長は、記者会見で「臨時国会を召集することは、決して悪い話とは思わない。しっかり論戦を踏まえて、予備費を積み増していくことは、これからのコロナ対策にもつながるので、後ろ向きに考える必要はない」と述べました。