「ファスト映画」公開 1000万円超の賠償金で映画会社と和解

映画の内容を無断で10分程度にまとめてストーリーを明かす「ファスト映画」と呼ばれる違法な動画の公開をめぐり、著作権法違反の疑いで摘発されたグループの1人が、1000万円を超える賠償金を支払うことを条件に映画会社の1社と和解したことがわかりました。

「ファスト映画」は、映画の映像を無断で使用し字幕やナレーションをつけてストーリーを明かす10分程度の動画で、去年の春ごろからYouTubeへの投稿が相次ぎました。

ことし6月にはファスト映画を公開して違法に広告収入を得ていたグループを宮城県警察本部が著作権法違反の疑いで全国で初めて摘発し、先月3人が逮捕・起訴され、同じグループの2人が書類送検されています。

このうち書類送検された神奈川県川崎市に住む20代のナレーターと映画会社の1社が当事者間で和解交渉を進め、1000万円を超える賠償金を支払うことで合意したことが関係者への取材でわかりました。

このナレーターはNHKの取材に対し「グループのメンバーはオンラインゲームの遊び友達で最初は大丈夫かと心配したが、登録者が何十万人、再生数が100万回を超えるチャンネルがほかにもあり、安心感を持った。多い時には2日に1本くらいのペースで合計70本ほどに関わった。ネットだと何でも許されるという認識があったが、考え直さないといけないと思っている」と話していました。

映画やアニメの会社などで作るCODA=コンテンツ海外流通促進機構は、ほかの悪質な動画の投稿者についても映画会社と連携して警察への相談や民事訴訟を検討するとしています。

摘発後 動画削除・アカウント閉鎖の動き相次ぐ

CODA=コンテンツ海外流通促進機構によりますと「ファスト映画」の動画は、この1年だけで2100本余りが投稿されたということです。

CODAは、ファスト映画を見ることで本編を視聴しなくなって生じた被害の総額を956億円と推計しています。

一方、ことし6月に宮城県警察本部が全国で初めて違法に動画を公開したグループを摘発して以降、動画を削除したりアカウントを閉鎖したりする動きが相次いでいます。

CODAによりますと、ファスト映画を投稿するアカウントの数は55から8に減ったということです。

CODA側では閉鎖されたアカウントについても運営者の特定を進めていて、法的措置を検討しています。