新学期前に子どもの「夏休み接種」 3割が1回目終了 東京 清瀬

学校での感染拡大が懸念される中、東京 清瀬市は、新学期が始まる前に希望する子どもが新型コロナウイルスワクチンを接種できるよう、スケジュールを前倒しして「夏休み接種」を進め、25日までに3割が1回目の接種を終えました。

12歳から18歳を対象にした子どものワクチン接種について、東京 清瀬市は今月下旬から予約を開始する予定でしたが、学校での感染拡大を防ぐためスケジュールを1か月前倒ししたうえ、予約枠を設けて先月下旬から接種を進めてきました。

清瀬市によりますと、その結果、対象となる12歳から18歳のおよそ4800人のうち3割に当たるおよそ1400人が25日までに1回目の接種を終えたということです。

希望したものの夏休み中に接種できなかった児童生徒もいるため、接種当日と副反応で学校を休む日は、欠席扱いにしない対応をとるということです。

清瀬市健康推進課の鈴木基晴副参事は、ワクチンの接種はあくまでも任意だとしたうえで「国内では子どもの治験データの蓄積が十分になく接種率は読めない状況でしたが、1000人分の予約枠がすぐに埋まったので、予想していた以上のニーズはあったと感じている。2学期以降も引き続き予約は受け付けているので、希望するすべての小中高生が接種できる体制をつくっていきたい」と話していました。

接種を受けた高校生 中学生 保護者は

東京 清瀬市のワクチン接種会場の1つとなっている医療機関には、新学期が始まる前日の25日も中高生と付き添いの保護者が次々に訪れ、午前中だけで12歳から18歳の28人が接種を受けました。

接種した男子高校生は「電車通学なので、感染した場合でもつらさが軽減できたらと思って受けました」と話していました。

付き添った母親は「授業再開に不安はありますが、緊急事態宣言で授業日数が減ったり部活ができなかったりしてかわいそうだったので、夏休み中にワクチンを打つことでリスクを軽減して学校生活が送ることができたらありがたいです」と話していました。

また、男子中学生は「外出するときなどに感染リスクを下げるために受けたほうがいいかなと思いました」と話していました。

男子中学生の母親は「ワクチンの予約が取りにくい中、接種の機会をつくってくれてありがたいです。子どもが自主的に打ちたいと言ったので予約開始後すぐに電話しました。家族の中に接種できない12歳未満の子どももいるので、家族みんなが打つことでリスクを下げたいと思います」と話していました。

大塚耳鼻咽喉科医院の大塚健司院長は「学校が始まると感染のリスクが高まるので、夏休み中の接種はいい取り組みだと思う。希望する人がワクチンを打てるよう接種を進めたい」と話していました。