来月開幕予定の三重国体 中止で合意 コロナ感染急拡大で

来月、三重県で開幕する予定だった、国体=国民体育大会が、新型コロナウイルスの感染の急拡大を理由に中止されることになりました。

国体を主催する日本スポーツ協会と開催県の三重県、スポーツ庁、それに国体のあとに全国障害者スポーツ大会を開く日本障害者スポーツ協会、4者による会議が25日、オンラインで開かれ、ことしの国体の開催について協議を行いました。

この中で、三重県の鈴木知事が、新規感染者が急速に拡大している県内の新型コロナの感染状況と、対策が追いついていない現状を説明したうえで「苦渋の決断であるが、県民の命を守らなければならない」と、大会を中止する意向を表明しました。

これに対して、ほかの参加者から反対などの意見はなく、ことしの国体を中止することで合意しました。

国体の開催をめぐっては、去年、鹿児島で行われる予定だった大会が、新型コロナの影響で2023年に延期されていて、2年連続で開催されない異例の事態となりました。

国体の中止は、26日行われる日本スポーツ協会の国体委員会で正式に決定する見通しで、三重県は今後、延期して大会を開催する希望がある場合は、26日の決定から1か月以内に態度を明らかにする必要があるということです。

大会の延期は国体の開催基準により6年後の2027年になり、それ以降に内定していた自治体は、順送りになるということです。

また、10月に同じ三重県で開かれる予定だった全国障害者スポーツ大会も中止することで合意しました。

日本スポーツ協会 国体委員長「この1週間で想定の2、3倍の波」

日本スポーツ協会の大野敬三国体委員長は、2年連続で国体が開催できないことについて「大会を開けない期間、選手たちは大変な苦労をしているのに、結果を出す場がないことになる。2年連続で国体を開催できず、社会にも元気を与えられていないことを考えると、大変残念だ」と話しました。

そのうえで、大会の中止に至った経緯について「三重県は、ついこの間まで、なんとか無観客でやろうと最後の最後まで努力されていたし、われわれも協力してきた。しかし、ここ最近の急激な感染拡大と変化には対応できないということになった。想定はしてきたが、この1週間でその2倍、3倍の波が押し寄せてきて、これは太刀打ちができないと思った」と、想定を大きく上回る感染の急拡大が対応を難しくしたことを強調しました。