尾身会長 “新学期の開始時期の延期も検討すべき” 衆院厚労委

新型コロナウイルスの子どもへの感染が増える中、政府の分科会の尾身会長は、衆議院厚生労働委員会で、学校が再開されれば感染が拡大し、さらに医療がひっ迫するおそれがあるとして、自治体の判断で、新学期の開始時期の延期も検討すべきだという考えを示しました。

この中で、尾身会長は、現在の感染状況について「東京の感染拡大のスピードは鈍化しているが、下がる傾向は全く見えておらず、いつピークアウトするか判断するのはまだ時期尚早だ。医療のひっ迫、重症者の数は、しばらく大変な状況は続く」と指摘しました。

その上で、子どもへの感染が増加していることを踏まえ「新たに学校が始まることで、一度、感染スピードが鈍化しても、また感染の拡大があり、さらに医療のひっ迫ということもあり得るので、十分注意して、効果的で納得できる対策を打つ必要がある」述べ、自治体の判断で、新学期の開始時期の延期も検討すべきだという考えを示しました。

また、医療の深刻なひっ迫を招いた原因を問われたのに対し「政府は危機感は共有していたが、私たち専門家の分析より、時々、やや楽観的な状況分析をされたのではないか」と指摘しました。

さらに、尾身会長は、再来日したIOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長について「人々にテレワークを要請している中、あいさつが必要ならば、なぜオンラインでできないのか。『バッハ会長はなぜ、わざわざ来るのか。銀座も一回行ったんでしょ』と一般庶民としてそう思う」と述べました。

一方、田村厚生労働大臣は、「抗体カクテル療法」をめぐり「外来で使えるように早急に進めていく」と述べ、副作用への対応などを行える医療機関で投与を認める方針を示しました。