パラリンピック 学校連携観戦チケットでの観戦 初日は約1000人

25日から競技が始まった東京パラリンピックでは学校連携観戦チケットによる子どもたちの観戦が始まりました。

大会組織委員会によりますと、競技初日の25日に学校連携観戦チケットで子どもたちの観戦が実施されたのは、卓球が行われた東京体育館やゴールボールと車いすフェンシングが行われた千葉市の幕張メッセなど合わせて5つの会場で、合わせて延べおよそ1000人が来場したということです。

競泳会場には子どもたちの姿なし

東京パラリンピックの学校連携観戦チケットによる子どもたちの観戦は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、参加するかどうか自治体ごとに対応が分かれています。

このうち、競泳が行われている東京アクアティクスセンターでは地元の東京 江東区の小中学校に通う児童・生徒およそ2000人が訪れる予定でしたが、新型コロナの感染拡大を受けて24日、中止を決め、会場には子どもたちの姿はありませんでした。

このため25日は会場に子どもたちの姿はなく、観客席には大会の関係者がまばらに座っているだけで、会場内に選手たちが水をかく音が響いていました。
観客席には子どもたちが訪れることを想定して1席ずつ間隔を空けて座るよう促す張り紙やきちんとマスクをつけるよう求める掲示などが設置されたままになっていました。

座席の周辺には手や指の消毒を行うための消毒液が備え付けられ、競技中も定期的にスタッフが座席を消毒していました。

また、会場の入り口には体温を確認するためのカメラが設置されていましたが、ここにも子どもたちの姿はありませんでした。

千葉では中学生がゴールボール観戦

一方、千葉市の幕張メッセでは、ゴールボールと車いすフェンシングの2つの競技が始まり、このうちゴールボールの会場には中学生たちが訪れ、男子のブラジルとリトアニアの試合を観戦しました。

ゴールボールは、視覚障害がある選手が鈴の入ったボールの音を頼りに交互にボールを転がして得点を競う、パラリンピック独自の競技です。

子どもたちは学校ごとに客席を区切り、席の間隔を空けたうえでマスクをつけて声を出さずに座り、イヤホンで試合展開の解説を聞きながら観戦しました。

試合が終わり、選手たちが観客席に近寄って「ありがとう」と声をかけると、子どもたちは拍手で応えていました。

競技初日の25日 5会場に延べ約1000人

大会組織委員会によりますと、競技初日の25日、学校連携観戦チケットで子どもたちの観戦が実施されたのは、都内では東京体育館の卓球、武蔵野の森総合スポーツプラザの車いすバスケットボール、国立代々木競技場の車いすラグビー、それに千葉市の幕張メッセのゴールボールと車いすフェンシングの5つの会場で、合わせて延べおよそ1000人が来場したということです。

千葉県内では198校の2万3100人余が観戦予定

千葉市の幕張メッセでは4つの競技が行われますが、千葉県によりますと県内の小・中・高校の児童・生徒や引率の教員で観戦するのは24日時点で6つの市と町と県立、私立の合わせて198校の2万3100人余りとなっています。

中止を決める自治体も相次いでいますが、千葉県の熊谷知事は25日、ツイッターに「保護者の理解の上で各自治体・学校設置者の判断で実施可能としたので、選択肢を作ることができてよかった」と投稿し、感染防止策を徹底して実施する考えを強調しています。

組織委 学校観戦「万全な態勢で受け入れられるようにしたい」

学校連携観戦チケットによる子どもたちの観戦について、大会組織委員会の高谷正哲スポークスパーソンは会見で「安全最優先だが、次の社会を支える世代に生で観戦をしてもらいいっそう共生社会が進んでほしいという思いだ。見たもの、感じたものを長い記憶としてとどめてほしい」と述べました。

また、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、東京江東区や江戸川区が直前で参加の中止を決めたことについて「なんとかして参加したい、安全なかたちで子どもたちに観戦させたいと考えていた自治体ばかりで、断腸の思いでの決断だったと思う。その思いを受け止め、万全な態勢で受け入れられるようにしたい」と話しました。

組織委員会によりますと、競技初日の25日、学校連携観戦チケットによる子どもたちの観戦が実施されるのは、都内では東京体育館の卓球、武蔵野の森総合スポーツプラザの車いすバスケットボール、国立代々木競技場の車いすラグビー、それに、千葉市の幕張メッセのゴールボールと車いすフェンシングの5つの会場だということです。