「抗体カクテル療法」の外来診療での投与を認める方向で調整へ

新型コロナウイルスに感染した入院患者などに行われている「抗体カクテル療法」をめぐり、厚生労働省は、自宅療養者への対応を進めるため、一定の条件を満たした医療機関では、外来診療による日帰りでの投与も認める方向で調整を進めることになりました。

「抗体カクテル療法」は、2つの薬を同時に点滴投与することで、抗体が作用してウイルスの働きを抑える治療法で、重症化リスクがある軽症から中等症の患者を対象に入院患者のほか、宿泊療養施設や臨時の医療施設での投与が認められています。

厚生労働省は、感染が急拡大し、自宅療養者が増加していることを踏まえ、投与後の患者の容体の変化に対応できる入院設備などが整った医療機関に限って、外来診療による日帰りでの投与も認める方向で調整を進めることになりました。

厚生労働省は、患者の移動手段の確保など、具体的な運用方法について検討を急ぎ、速やかに実施したい考えです。

ただ、医師が患者の自宅を訪れる「往診」での投与は、薬の副作用などの経過観察が難しいとして、引き続き、認めない方針です。

一方、立憲民主党は、できるだけ多くの患者が使えるよう自宅での投与も可能にすべきだとして、そのための条件や体制の検討を政府に求めることにしています。