感染した妊婦の入院先確保 “確実に解決できる結論出ず” 学会

千葉県柏市で新型コロナウイルスに感染した妊婦の入院先が見つからず、自宅で産まれた赤ちゃんが亡くなったことを受けて、千葉県の産婦人科医の学会は、入院先の確保について「現状で確実に解決できるという結論を得られなかった」として、近隣の施設で検査を実施するなど、暫定的な対応をとらざるをえないという見解を明らかにしました。

これは24日、千葉県産科婦人科医学会がホームページに文書を掲載して明らかにしたものです。

それによりますと、柏市で自宅療養中の妊婦が入院先が見つからずに出産し、赤ちゃんが死亡した事案については「周産期医療を担うものとして申し訳なく、重く受け止めています」としています。

そのうえで、対応を話し合う会議を開き、議論したものの「現状で確実に解決できるという結論を得ることはできなかった」としています。

理由として、
▽自宅療養中の妊婦をかかりつけ医が直ちに対面で診察することは、ほかの患者の感染を避けるため困難なことが多く、診察できる医療機関への依頼も簡単ではないうえに、
▽早産の可能性がある場合、診断ができても、未熟な新生児治療をできる施設は限られているとしています。

そのため、まずは妊婦の状態を診る検査だけでも近隣の施設で実施し、県内全域で入院先を探す、暫定的な対応をとらざるをえない状況を確認したということです。

また、県に対して、感染した妊婦の受け入れ体制の拡充と、ワクチン接種の推進を求める要望書を提出しました。