オーストラリア首相 ロックダウン 接種率で制限緩和など検討

オーストラリアのモリソン首相は、新型コロナウイルスの感染対策として行っている、いわゆる「ロックダウン」について「国民の心身の健康や経済の大きな負担となっている。目標を達成したあとは利益よりも弊害のほうが大きい」と述べ、ワクチンの接種率が一定の水準に達したあとは、制限の緩和などを検討する考えを明らかにしました。

オーストラリアは外出制限で仕事を失ったり労働時間が減ったりした人を対象に、1人当たり週に最大750オーストラリアドル、日本円でおよそ5万9000円を支給するなどの措置とともに、経済活動や人の移動を厳しく制限するいわゆる「ロックダウン」を行っていますが、感染の拡大に歯止めがかかっていません。

こうした中、モリソン首相は23日、外出制限などによってウイルスの封じ込めを目指すとするこれまでの方針を見直す考えを明らかにしました。

会見でモリソン首相は「ロックダウンは国民の心身の健康や経済の大きな負担となっている」と述べました。

そのうえで「われわれはウイルスと共存する道を探る。16歳以上の接種率が70%から80%になれば、前に進むことができる。ロックダウンは目標を達成したあとは利益よりも弊害のほうが大きい」と述べ、ワクチンの接種率が一定の水準に達したあとは制限の緩和などを検討するとしています。

オーストラリアでは長引く外出制限などに対する不満の声も上がっていて、若者を中心とする抗議デモも複数の都市でたびたび行われています。