大阪 宿泊施設での療養者が最多 1施設で一日2、3人が救急搬送

新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、大阪の宿泊療養者数は2800人を超えて過去最多となっています。

療養者を診察する医師は1つの宿泊施設当たり、一日に2、3人は症状が悪化して病院に救急搬送されるようになっていると厳しい現状を訴えています。

大阪府内では23日の時点で、過去最多となる2806人が宿泊施設で療養していて、施設の運用率は49.9%となっています。

増え続ける療養者の健康管理のため、大阪府ではことし4月下旬から20か所ある宿泊施設のうち拠点となる1施設に医師が常駐する体制を整え、体調の変化を訴える療養者全員を対象に24時間態勢でオンライン診療を行っています。

第1波からコロナ患者を診察し、いまは、宿泊療養者の健康管理の取り組みに加わっている鹿島洋一医師は、第5波の特徴として、40代から下の若い世代の患者が多く、軽症とはいえ、40度を超える高熱やせきの症状で苦しむうえ、症状が落ち着くまでこれまでと比べて長引いていると指摘しています。
鹿島医師は「軽症で施設に入ってきても症状が落ち着くまで10日はかかります。こんな大変で長いものだと思わなかった、しんどいからなんとかしてほしいと訴える若い患者が多い」と話していました。

宿泊療養者の健康管理は日中は医師が3人、夜間は1人で対応していますが、療養者の急増で診察をする患者は一日100人に上り、ぎりぎりの態勢になっているということです。

また、鹿島医師によりますと、1つの施設当たり一日2、3人は症状が悪化して病院に救急搬送されるということです。

鹿島医師は、若い世代でも一定の割合で重症化するリスクがあるとしたうえで「未来のある若い人にはできればうつってほしくない」と話し、改めて、感染しないよう注意をしてほしいと呼びかけていました。