感染拡大のベトナム 軍を投入し行動制限 外出は原則禁止

新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないベトナムでは、政府が、23日から、南部のホーチミンに軍の部隊を投入し、すべての住民の外出を禁止して監視を強化するなど、厳格な感染対策を続ける姿勢を鮮明にしています。

ベトナムでは、ことし4月末以降、新型コロナウイルスの感染が拡大し、各地で厳しい外出制限などの措置がとられていますが、今月19日以降、一日の感染者数が連日1万人を超えるなど、感染拡大に歯止めがかかっていません。

このため、ベトナム政府は、23日から、より厳しい行動制限を始め、状況が深刻な南部のホーチミンに軍の部隊を配置し、住民の外出を原則、禁止にして、監視に当たらせています。

兵士の一部は、自動小銃を携帯していて、道路に設けられた検問所で車やバイクを止めて証明書などを確認するほか、外出が禁止されている住民には自宅まで食料品を届けるということです。

こうした政府の対策についてインターネット上で「対策が次から次へと変わっている。まっとうな対策を打ち出してほしい」などと不満も出始めています。

一方、地元メディアは「武装した部隊の配置で、感染対策がさらに強化され、人々はより従順になるだろう」という軍の元高官の話を伝えるなど、軍の投入には引き締めをはかるねらいもあると見られ、ベトナム政府は、厳格な感染対策を続ける姿勢を鮮明にしています。