千島海溝と日本海溝 M7クラスの地震で巨大地震注意呼びかけへ

東日本大震災クラスの巨大地震と津波が切迫しているとされる北海道から岩手県にかけての沖合「千島海溝」と「日本海溝」について、国は最大規模よりも小さいマグニチュード7クラスの地震が起きた場合、巨大地震への注意を呼びかける方向で検討を進めることになりました。

千島列島から北海道の沖合にかけての「千島海溝」沿いと「日本海溝」のうち北海道の南の沖合から岩手県の沖合にかけては、最悪の場合、マグニチュード9クラスの巨大地震が起きて20メートル以上の津波が押し寄せると想定されています。

これについて国は、巨大地震が発生する可能性がふだんより高まったと判断される場合、何らかの呼びかけができないか検討するため、23日、地震学などの専門家による検討委員会の初めての会合を開きました。

会合では南海トラフですでに運用されている「臨時情報」を参考に議論が行われました。

「南海トラフ地震臨時情報」には、震源域の半分がずれ動くマグニチュード8クラスの地震が発生した時に出される「巨大地震警戒」と、震源域の一部でマグニチュード7クラスの地震が発生した時や、ふだんと異なる地殻変動が検出された場合に発表される「巨大地震注意」があります。

「巨大地震警戒」は地震発生後では津波からの避難が間に合わない地域に1週間程度の事前避難を求めていますが、会合では千島海溝などでは過去の巨大地震の起き方が詳しくわかっておらず、地殻変動の観測も十分でないため、マグニチュード7クラスの地震が発生したときに注意を呼びかける方針で合意したということです。

より詳細な地震の規模や対象とする地域について年内をめどに取りまとめる方針で、具体的な防災対応についてはその後、検討されるということです。
検討委員会の座長をつとめる名古屋大学大学院の山岡耕春教授は「ある規模の地震が起きたときに、より大規模な地震が引き起こされることもあり、巨大地震が想定されている地域での注意の呼びかけは防災上、合理的で意味がある。ただ、地震規模の基準やどのような表現にするかは今後、議論が必要だ」と話しています。