夏の全国高校野球 第1試合 近江(滋賀)が大阪桐蔭に6‐4で勝利

夏の全国高校野球は23日、2回戦最後の1試合が行われ、滋賀の近江高校が大阪桐蔭高校に6対4で勝って3回戦に進みました。

2回戦最後の試合は大阪桐蔭と近江が対戦し、関西勢どうしの顔合わせとなりました。

大阪桐蔭は1回に2アウト満塁から6番 宮下隼輔選手がタイムリーツーベースを打って3点を先制しました。

そして2回には、8番 松尾汐恩選手が大会第18号のホームランを打って4点をリードしました。

近江は3回はスクイズ、4回は5番 新野翔大選手が大会第19号のホームランを打って追い上げました。

さらに5回は1アウト満塁からの犠牲フライで追加点をあげ、7回には新野選手がタイムリーヒットを打って4対4の同点に追いつきました。

そして近江は8回、2アウト一塁から2つのフォアボールを選んで満塁となったあと、途中出場の山口蓮太朗選手が2点タイムリーツーベースを打って、試合をひっくり返しました。

近江は大阪桐蔭に6対4で勝って、3回戦に進みました。

春夏連続の出場で夏の甲子園で6回目の優勝をねらっていた大阪桐蔭は、3回以降ヒット2本に抑えられ得点をあげることができませんでした。

近江 山口選手「全力でバット振ることできた」

8回に勝ち越しの2点タイムリーツーベースを打った山口蓮太朗選手は「意地でもくらいつこうと思って打席に入った。全力でバットを振ることができた。打球が落ちた瞬間は信じられなかった」と話しました。

春夏連続出場で、夏の甲子園で5回優勝している大阪桐蔭高校に勝ったことについては「最後まで諦めずに戦うという気持ちだった。山田投手のピッチングで流れが変わったと思う」と話していました。

近江 多賀監督「山田投手のピッチングが試合の流れ引き戻した」

近江高校の多賀章仁監督は「序盤は悪い流れだったが、山田投手の4回から6回のピッチングが試合の流れを引き戻してくれた」と話しました。

8回、山口蓮太朗選手が打った勝ち越しの2点タイムリーツーベースについては、「山口選手は愚直に努力をしてきた。大事な場面で打ってくれてうれしい」と話しました。

大阪桐蔭 池田主将「力不足で点がとれなかった」

大阪桐蔭高校のキャプテン、池田陵真選手は「相手のピッチャーがいい球を投げていて、対応することができなかった。このまま終わることはできないと思っていたが力不足で点がとれなかった」と試合を振り返りました。

そのうえで「しんどいこともあったが、先輩や後輩など多くの人たちとつながることができた。甲子園でプレーできたことは自分にとって大事な経験になると思う」と話していました。

大阪桐蔭 西谷監督「次の1点が奪えなかった」

大阪桐蔭高校の西谷浩一監督は「前半はいい流れだったが、立ち直った相手投手から次の1点が奪えなかった。1点ずつ追い上げられてプレッシャーをかけられてしまった」と試合を振り返りました。

また、8回から2人目としてエースナンバーを背負う3年生の松浦慶斗投手ではなく、2年生の川原嗣貴投手を送った投手起用について、西谷監督は「調子がいいと思ったので起用した。日程や球数制限のことも考えて、最善の方法をとったつもりだった」と話していました。

「こんな勝利は後にも先にもない 100試合分の値打ちがある試合」

滋賀の近江高校が大阪桐蔭高校に勝って3回戦に進みました。

ベテラン監督の選手たちの心理や陰の努力を見抜いた冷静なさい配が劣勢をはね返しました。

近江は1回に3点、2回に1点を奪われ、4点をリードされる苦しい展開を強いられました。

こうした中、3回、近江はワンアウト一塁三塁のチャンスをつくり、2番バッターに打順が回りました。

点差があって強攻策に出ても当然の場面で、62歳の多賀章仁監督が選択したのはまずは1点を取りにいく「スクイズ」でした。

多賀監督は「初っぱなにたたかれて選手たちに動揺が見られた。1点を取ることができたら選手たちも『よし、やれる』という気持ちになって落ち着くだろうと思った」と作戦に込めた意図を説明しました。

4回に1点をかえし、2点差で迎えた5回のワンアウト一塁二塁で打順は3番バッター。ここで3年生の山口蓮太郎選手を代打に送りました。

山口選手はフォアボールを選んでつなぎ、続くバッターの犠牲フライを呼び込みました。

さらに、山口選手は4対4で迎えた8回、ツーアウト満塁から2点タイムリーツーベースを打って、これが決勝点になりました。

なぜ、山口選手を起用したのか。山口選手は1回戦で出場機会がありませんでした。

その試合後、山口選手は悔しさから2時間半にわたって素振りをして次の機会に備えました。

多賀監督は山口選手について「愚直に努力する姿勢が印象に残り、寡黙な選手」と話し、積み重ねてきた陰の努力を信じて起用したことを明かしました。

山口選手も「1回戦出られなくて悔しい思いをした。きょうは使ってもらえたのでその気持ちをバットにぶつけた」と起用に応えた心境を話しました。

近江は夏の甲子園で5回の優勝を誇る大阪桐蔭相手に4点差をはね返して勝利をつかみました。

多賀監督は「こんな勝利は後にも先にもない。100試合分の値打ちがある試合」と喜びました。

選手の心理や陰の努力を見抜いたさい配が光った試合を経て、ベストエイト進出がかかる3回戦以降、ベテラン監督がチームをどこまで導くのか注目です。