「幸せな低酸素症」に注意 自宅療養者 息苦しさ感じず重症化も

新型コロナウイルスの患者の中には、肺炎が悪化して血液中の酸素の状態が悪くなっても息苦しさを感じないケースが報告されています。「幸せな低酸素症」と呼ばれる症状で、自宅で療養する患者が過去最多となる中、自分で気付かないうちに重症化する場合もあるため、専門家は血液中の酸素の値をパルスオキシメーターで繰り返し確認し、異変があればちゅうちょなく助けを求めるよう呼びかけています。

新型コロナウイルスに感染した患者では、中等症で通常なら息切れをするような肺炎を起こした状態で、酸素を十分取り込めていないのに息苦しさを感じないケースがあり「ハッピー・ハイポキシア」=「幸せな低酸素症」と呼ばれています。

厚生労働省が出している新型コロナウイルスの診療の手引きでも、状態が悪化しても患者は呼吸困難を訴えないこともあるとして注意を促しています。

今、感染の急拡大で首都圏や沖縄県などで医療が危機的な状況となる中、自宅で療養する患者が急増しているため、専門家は自宅で療養中もこまめにパルスオキシメーターで血液中の酸素の値、酸素飽和度を計って、異変があれば医療機関などに連絡するよう呼びかけています。

専門家「異変あれば ちゅうちょなく助けを求めて」

新型コロナウイルス対策に当たる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は「自宅で我慢していると知らないうちに意識がなくなり、重症化するおそれもある。パルスオキシメーターで血液中の酸素飽和度を繰り返し確認することが大事だ。意識がもうろうとしたり、唇の色や爪の色が悪くなるなど異変が見られた場合はちゅうちょなく、保健所や医療機関などに連絡したり、救急車を呼んだりしてほしい。連絡先は複数用意しておくことが大事だ」と呼びかけています。