夏の全国高校野球 第4試合 敦賀気比が日本文理に勝ち3回戦へ

夏の全国高校野球、20日の第4試合は福井の敦賀気比高校が新潟の日本文理高校に8対6で勝って3回戦へ進みました。

1回に1点を先制した敦賀気比は2回、下位から始まった攻撃で1番の東鉄心選手のタイムリーをはじめヒット6本を集め、打者一巡の猛攻で5点を奪って6対0と大きくリードしました。

敦賀気比はこの試合、ヒット16本を打って、5回と8回に追加点を挙げるなど打線が活発で優位に試合を進めました。

敦賀気比は日本文理に8対6で打ち勝って、3回戦に進みました。

日本文理は4回に2年生で6番の玉木聖大選手が大会第12号となる2ランをスタンドに運ぶなどヒット14本を打ち、9回も3本のヒットなどで2点を奪い追い上げましたが、最後は相手の投手リレーにかわされました。

敦賀気比 本田投手「打ち取ったとき ほっとした」

敦賀気比高校の先発、本田克投手は、6回途中3失点でいったんマウンドを降りたあと、9回のピンチに再びリリーフとして起用され、相手の反撃をしのぎました。

本田投手は「序盤は力が入ってボールが続いてしまった。4回に味方がエラーしたあと自分がカバーできず、ホームランを打たれたのもよくなかったです」と話しました。

9回については、「監督から試合終盤に起用する可能性があると言われていたので準備はできていた。打ち取った時はほっとした」と振り返りました。

敦賀気比 東監督「投手陣の調整ぶりが不安だった」

敦賀気比高校の東哲平監督は「地方大会の決勝からおよそ1か月離れていて、ピッチャー陣の調整ぶりが不安だったが、心配が当たってしまった。それでも攻撃陣が序盤に点をとってくれて、ピッチャーも最後は粘って、勝つことができてよかった」と話していました。

日本文理 田中投手「悔しさを糧に成長していきたい」

日本文理高校の2年生で先発した田中晴也投手は「2回までの6失点がひびいてしまって悔しい。ボールは悪くなかったが、ヒットを多く打たれてしまった。細かい技術が足りないと思った」と話しました。

そのうえで、「試合後に3年生から来年は甲子園で勝てよと言われた。悔しさを糧に成長していきたい」と話しました。

日本文理 鈴木監督「勢いに乗れなかった」

日本文理高校の鈴木崇監督は「1回の満塁で得点がとれず、勢いに乗れなかった。後半は粘り強い野球で、いい動きをしていた。後輩たちに見習ってほしい」と話しました。

田中投手など2年生が活躍したことについて「3年生がいい手本になってくれたと思う。2年生はこれから成長して甲子園の借りを甲子園で返してほしい」と話しました。

日本文理 渡邊暁仁選手 コロナで辞退の旧友の分まで

新潟の日本文理高校のキャプテン、渡邊暁仁選手は、新型コロナウイルスの影響で甲子園への道をたたれたライバルの思いを背負って甲子園の初戦に臨みました。

日本文理は、新潟県勢として最多に並ぶ11回目の夏の甲子園出場を果たしました。

同じく11回の出場経験を持つ中越高校とは、しのぎを削ってきました。

そのライバルは、地方大会の初戦の直前に部員が新型コロナウイルスに感染し、出場辞退を余儀なくされました。

中越高校には、渡邊選手に甲子園への思いを託す2人の選手がいます。

加藤秀成選手と齋藤竜輝選手です。

渡邊選手を含めた3人はともに同じ市の出身です。

小、中学校のときに同じ少年野球チームに所属し、子どもの頃から切磋琢磨(せっさたくま)してきた関係です。

全国大会にも2回出場しました。

中越高校の辞退が決まった日、渡邊選手は2人に電話をし、「中越の分まで頑張る」と声をかけました。

2人からは「俺らの分まで任せた」「頼むぞ」「もう応援する側だからがんばって」とエールが届きました。

新潟大会の決勝では、このエールも力に満塁ホームランを打って甲子園出場をつかみました。

試合は序盤で6点をリードされる苦しい展開。

しかし、チームは、そして渡邊選手は諦めません。

5点を追う5回のチャンスにタイムリーを打ちました。

チームは9回にも2点をかえすなど粘りましたが及びませんでした。

渡邊選手は「2人の分まで勝ちたかった。申し訳ない。個人的にはタイムリーを打てたので2人の分まで全力でプレーできたと思う」と納得した様子を見せていました。

新型コロナウイルスの影響で2つの代表校が出場を辞退することになった今大会。

高校球児たちにとって甲子園球場は自分自身だけではなく、夢をたたれたライバルや仲間の思いも背負って戦う舞台となっています。

敦賀気比 ダブルパンチの中で

天候不良のため、試合の延期が相次ぐ異例の大会で選手たちは調整に苦しんでいます。

3大会連続10回目の出場となる敦賀気比高校も例外ではありません。

「不安が的中してしまった」。

6年前のセンバツでチームを優勝に導いた名将、東哲平監督が繰り返したのは、勝利の喜びではなく、思うようにいかなかった投手陣の調整の難しさでした。

敦賀気比は、本田克投手や吉崎空投手など3人の投手陣が、福井大会の4試合のうち3試合で完封勝ちと盤石でした。

しかし、開幕前には今月14日に予定されていた初戦の2回戦は、相次ぐ天候不良で予定より6日も遅れました。

さらに、福井大会の決勝は先月21日に行われ、選手たちは1か月ほど実戦から離れていたことになります。

試合勘を取り戻せない中、先発の本田投手は5回途中を3失点。

2人目の吉崎投手も9回にワイルドピッチで失点し、最後はサードを守っていた本田投手のリリーフを仰ぐことになりました。

2回までに6対0と大きくリードをしていた試合が、最後は8対6まで追い上げられ、肝を冷やす試合となりました。

本田投手は試合後「相手も状況は一緒だと思う。その中で勝ててよかった」と雨によって幾度となく試合が先延ばしになったことを不本意な内容のきょうのピッチングの言い訳にはしませんでした。

東監督は「本田投手は本調子ではなかった。地方大会から甲子園の試合まで1か月離れたのは初めてだ。バッターとの間合いや実戦感覚の調整が難しかったと思う」と話し、投手陣を思いやりました。

ことしの大会は新型コロナウイルスの影響が心配される中、あらゆる感染防止対策を講じて開かれています。

そんな中、新型コロナウイルスの影響で2つの代表校が開幕後に出場を辞退し、「不戦敗」で甲子園を去ることになりました。

晴れの舞台で躍動するはずの選手たちは新型コロナウイルスと天候不良というダブルパンチの影響を受けながらの戦いを強いられています。