帰省者などに配布の抗原検査キット 未承認の研究用だった 京都

京都府与謝野町がお盆や夏休みを利用して、やむをえず帰省する人などに配布した新型コロナウイルスの抗原検査キットが、国の承認を受けていない研究用だったことが分かりました。京都府は、未承認の検査キットは精度が確認されておらず、誤解を与え、不適切だとして町に指導を行いました。

与謝野町は、お盆や夏休みに、やむをえず町に帰省する人向けに感染の有無を調べる抗原検査キット800セットを用意し、8月7日から無料で配布しています。

医療現場などでは国の承認を受けた検査キットが使われていますが、京都府などによりますと、町は国内では承認を受けていない中国製の研究用のキットを配布していたということです。

未承認の研究用キットは、インターネットなどで販売されていますが、厚生労働省はウイルス検出の精度が確認されたものではないなどとして、安易に使用しないよう、ことし2月に自治体に通達を出しています。

京都府は未承認の検査キットの配布は誤解を与え、不適切だとして8月13日に町に指導を行ったということです。

与謝野町は「帰省の際のセルフチェックという思いで配布していたが、新型コロナの診断が確実にできると誤解させてしまったことは申し訳ない」としています。

町は、残っているおよそ200のキットは「診断では使用できない」などの注意点を明記して配布を継続し、すでに配布した分も回収はせず、状況を説明したうえで、それぞれの判断で使ってもらうとしています。