新型コロナ ほぼ全都道府県で感染拡大 東京は再びペース増加

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、東京都では感染拡大のペースが再び増加しています。20日から緊急事態宣言と、まん延防止等重点措置の対象地域が拡大されましたが、これらの地域を含む、ほぼすべての都道府県で感染が拡大しています。

新規感染者 1週間平均の傾向

NHKは各地の自治体で発表された感染者数を元に、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国

全国では、
▽7月22日までの1週間では、前の週と比べて1.56倍
▽7月29日は1.69倍
▽8月5日は1.83倍
▽8月12日は1.24倍
▽8月19日まででは1.38倍で、
8週連続で増加していて、感染者数が過去最多となっている中でも、さらに拡大しています。

1日当たりの新規感染者数は、およそ2万305人となっていて、鳥取県を除く、すべての都道府県で感染が拡大しています。

緊急事態宣言の地域

東京都

東京都は、9週連続で感染が拡大していて、
▽8月5日までの1週間では、前の週の1.64倍
▽8月12日は1.09倍でしたが、
▽8月19日まででは1.20倍と、
再び増加のスピードが上がっています。

1日当たりの新規感染者数は、およそ4774人と、先週よりおよそ798人増え、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数も240.08人と、厳しい感染状況となっています。

沖縄県

5月23日から緊急事態宣言が続いている沖縄県は、6週連続で感染が拡大し、
▽8月5日までの1週間では、前の週の1.93倍
▽8月12日は1.19倍
▽8月19日までは1.26倍となっています。

1日当たりの新規感染者数は、およそ669人で、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は322.51人と、全国で最も高く、これまで国内のどの地域でも経験したことのない規模の感染拡大が続いています。

8月2日から緊急事態宣言が出されている首都圏の3県と大阪府でも感染拡大が続いています。

神奈川県

▽8月5日までの1週間では、前の週の2.02倍
▽8月12日は1.22倍
▽8月19日までは1.21倍と、
8週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ2240人でした。

埼玉県

▽8月5日までの1週間では、前の週の1.77倍
▽8月12日は1.30倍、
▽8月19日までは1.30倍で、
9週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は1689人となっています。

千葉県

▽8月5日までの1週間では前の週の1.90倍
▽8月12日は1.22倍
▽8月19日までは1.41倍
と、11週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ1393人でした。

大阪府

▽8月5日までの1週間では、前の週の1.67倍
▽8月12日は1.27倍、
▽8月19日までは1.51倍
と、7週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は1816人となっています。

新たに緊急事態宣言の地域

8月20日から新たに緊急事態宣言が出された地域では、

茨城県

▽8月5日までの1週間では前の週の2.05倍
▽8月12日は1.20倍、
▽8月19日までは1.18倍
と、6週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ293人となっています。

栃木県

▽8月5日までの1週間では、前の週の1.70倍
▽8月12日は1.06倍、
▽8月19日までは1.29倍
と、5週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ172人となっています。

群馬県

▽8月5日までの1週間では、前の週の2.49倍
▽8月12日は1.14倍
▽8月19日までは1.72倍
と、7週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ233人となっています。

静岡県

▽8月5日までの1週間では、前の週の1.76倍
▽8月12日は1.65倍
▽8月19日までは1.84倍
と、6週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ434人となっています。

京都府

▽8月5日までの1週間では、前の週の2.06倍
▽8月12日は1.42倍
▽8月19日までは1.42倍
と、8週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ401人となっています。

兵庫県

▽8月5日までの1週間では、前の週の2.11倍
▽8月12日は1.36倍で
▽8月19日までは1.61倍
と、8週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ749人となっています。

福岡県

▽8月5日までの1週間では、前の週の2.36倍
▽8月12日は1.37倍
▽8月19日までは1.23倍
と、6週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は901人となっています。

政府分科会 舘田教授 “これまで経験ない感染拡大”

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「これまで経験したことのないような感染拡大、全国での感染爆発を迎えている状況だ。お盆休みで検査が十分に行われず、保健所が業務のひっ迫で対応が遅れている中で、すべての感染者を検出しきれていないような状況だ。見えている数字だけでも、これだけの感染者がいるので、今後さらに増加傾向になるか注意する必要がある」と指摘しました。

また、医療体制について「1都3県などの医療機関では、通常の救急医療を制限せざるをえない状況になっている。医療現場では、もうコロナの患者さんが入院できないような状態になりつつある。救急車を呼んでも受け入れ先が見つからず、まさにいっぱいいっぱいの状態になってきていて、このような状態が続いてくると、本当に医療崩壊になってしまう」と強い危機感を示しました。

そのうえで舘田教授は「危機的な状況に陥っているという事実をみんなで共有して、人出の5割削減を目指して、少しでも感染を減らすような行動をとってもらいたい。デパートの地下の食品売り場の入場制限などを打ち出したが、それでも人出が十分に減少しなければ、昼間の飲食店などにも休業を要請するなど、強い対策をとる必要がある。経済的なダメージもあるが、今の危機的な状況を乗り切るためには、短期間であってもこういった対策を取りながら、とにかく感染の状況を下向きにしないといけない」と訴えました。