“フジロック”2年ぶり開幕 地元歓迎も感染拡大の不安も 新潟

国内最大級のロックの祭典「フジロックフェスティバル」が20日、2年ぶりに新潟県湯沢町で開幕しました。主催者側は感染対策を徹底するとしている一方、地元からは感染の拡大につながらないか不安の声も出ています。

国内最大級のロックの祭典「フジロックフェスティバル」は去年、新型コロナウイルスの影響で開催されませんでしたが、ことしは20日から3日間開催されています。

初日の20日、湯沢町の会場の入り口ではマスクをつけた観客らが検温を受けたり、手や指の消毒をしたりしたあと入場していました。
主催者によりますと、ことしは感染対策を徹底しての開催を決めたということで、例年、1日の入場者数は4万人から5万人ほどですが、ことしは半数以下に制限していて20日午後1時時点の入場者は1万259人でした。

このほか主催者は、
▽出演者を国内のアーティストに限ったうえで、
▽希望する観客には、事前に無料で抗原検査キットを送付し、検査してもらっているほか、
▽酒類の持ち込みや、会場での販売を禁止するなどの対策をとっているとしています。

東京から訪れた28歳の男性は「いろんな音楽フェスティバルが中止になったけど、フジロックに参加できてうれしい。しっかり感染対策をして、大丈夫だったよと言えるようにしたい」と話していました。

一方、地元の湯沢町では「開催はありがたい」とする声の一方、感染の拡大につながらないか不安の声も出ています。

夏の売り上げの9割ほどがイベントの客の売り上げだという湯沢町の旅館では、宿泊客どうしが接触しないなど、感染対策をして参加客を受け入れていますが、10部屋のうち2部屋の予約がキャンセルになったということです。

旅館を経営する綿貫悟さんは「経営的には開催はありがたいが、感染が広がる不安もあり複雑な気持ちだ。なんとか感染者を出さず無事に終えてほしい」と話していました。

また、JR越後湯沢駅の近くで飲食店を経営する女性は「フジロックの開催前から受け入れる客を半分にしているので、イベントがあっても売り上げには関係ない。首都圏でお酒を飲めないからといって、ここでお酒を飲んで騒ぐ人がいないか不安だ」と話していました。