搬送先決まらぬ感染者「待機ステーション」消防の敷地に 埼玉

新型コロナウイルスの感染者の、搬送先の調整に時間がかかったことを受けて、埼玉県戸田市は、搬送先が決まらない感染者が一時的に待機する、酸素投与の設備を備えた「入院待機ステーション」を消防本部の敷地に設けました。

戸田市によりますと市内では8月に、新型コロナウイルスに感染し、自宅療養をしていた人から要請を受けて救急車が駆けつけたものの、入院先が決まるまでに3時間から4時間程度かかったケースが2件あったということです。

このため、市は感染者が搬送先が決まるまで一時的に待機する「入院待機ステーション」を8月17日に、消防本部の敷地に設置しました。

空調付きの陰圧テントの中に、簡易ベッド2台と酸素投与設備、それに血液中の酸素の値などを監視するモニターがあり、救急救命士などが経過観察や応急処置を行います。

また、救急車の中で長時間待たされた感染者がトイレに行くのに苦労したことを踏まえて、隣のテントには、トイレも整備されています。
戸田市消防本部の亀井亨警防課長は「今ある資源で何とか対応できないか考え、暫定的に設置した。患者の不安を解消するとともに、救急隊員の負担を軽減したい」と話していました。