厚労相 新型コロナ感染の妊婦 都道府県に受け入れ体制整備を

千葉県で新型コロナウイルスへの感染が確認された妊婦の入院先が見つからず、自宅で早産となり、赤ちゃんが亡くなった問題を受け、田村厚生労働大臣は、感染した妊婦の受け入れ体制を整備するよう、都道府県に再度、要請する考えを示しました。

千葉県柏市で今月17日、新型コロナウイルスに感染し、自宅で療養していた妊娠8か月の女性が、入院の受け入れ先が見つからず、自宅で早産となり赤ちゃんが亡くなりました。

これについて田村厚生労働大臣は、閣議のあとの記者会見で「本当に痛ましいことが起こり心の痛む話だ。各都道府県には通知をし、妊産婦で新型コロナに感染した人の出産体制をしっかり確保するようお願いしているが、十分に体制が組めていなかった」と述べました。

そのうえで「今回は非常に早期で緊急の出産だったが、それでも対応できるよう、周産期医療での新型コロナ対応についても、しっかり確保してもらうよう、都道府県に再度、お願いし体制整備に努めていきたい」と述べました。

公明 医療提供体制を整備するよう政府に要請

新型コロナウイルスの感染が確認された妊娠中の女性の入院先が見つからず、赤ちゃんが亡くなった問題を踏まえ、公明党は、政府に対し、重症化のリスクが高い妊娠中の女性などを迅速に受け入れる医療提供体制を整備するよう要請しました。

20日、公明党の石井幹事長らが総理大臣官邸で加藤官房長官に緊急の要請書を手渡しました。

この中では、千葉県で、新型コロナウイルスの感染が確認された妊娠中の女性の入院先が見つからず、自宅で早産となり、赤ちゃんが亡くなった問題を踏まえ、重症化のリスクが高い妊娠中の女性などを迅速に受け入れる医療提供体制を整備するよう求めています。

また、主に入院患者を対象としている「抗体カクテル療法」について、外来でも受けることができる体制を強化すべきだとしています。

加藤官房長官は「デルタ株への置き換わりが進んでおり、従来とは状況が違うという認識で、医療提供体制を整備していかなければならない」と応じました。

このあと石井氏は記者団に対し「自宅療養者が必要な治療を受けられずに亡くなるケースなども出ており政府はしっかり支援してほしい」と述べました。

立民 入院の優先順位判断は早産リスクの考慮を

千葉県で新型コロナウイルスに感染した妊婦の入院先が見つからずに自宅で早産となり、赤ちゃんが亡くなった問題を受け、立憲民主党は、感染者の入院の優先順位を判断する際は、妊婦が早産となる可能性を考慮するよう政府側に求めました。

千葉県柏市で、新型コロナウイルスに感染した妊娠8か月の女性が入院先が見つからずに早産となり、赤ちゃんが亡くなった問題を受け、立憲民主党は、20日国会内で会合を開き、政府の担当者からヒアリングを行いました。

この中で、議員からは「妊婦が感染した場合、とりわけ、妊娠後期は重症化リスクが高くなるとされている」と指摘したうえで、感染者の入院の優先順位を判断する際は、妊婦が早産となる可能性を考慮することを各自治体に要請するよう政府側に求めました。

また、会合では、ワクチンの優先接種の対象に全国一律で妊婦も追加するよう求める意見も出されました。

これに対し、政府側は「対応できるかどうか検討したい。ワクチンについても政府の見解を整理したい」と述べました。