【各地の影響は】緊急事態宣言など対象地域が拡大

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、20日から緊急事態宣言の対象地域に茨城、栃木、群馬、静岡、京都、兵庫、福岡の7府県が追加されました。

各地の動きや影響をまとめてお伝えします。

宇都宮 百貨店で階段やエスカレーターを閉鎖

栃木県宇都宮市にある「東武宇都宮百貨店」では、客の流れを制限するため18日から地下の食品売り場につながる階段1か所と、2つあるエスカレーターのうちの1つを閉鎖しています。

20日は、職員が閉鎖したエスカレーターの前で訪れた客に別の行き方を案内していました。

混雑時には、稼働しているエスカレーターにも職員を配置して入場制限を行い、人の流れをピーク時の5割ほどに抑える予定だということです。

百貨店では、店内の注意喚起の貼り紙などを3割ほど増やしたほか、エレベーター内での会話を控えるよう呼びかけるチラシも新たに作り、感染対策の徹底を呼びかけています。

中心部の飲食施設からは「これ以上耐えられない」の声も

宇都宮市中心部にあるギョーザの食べ比べができる人気の施設「来らっせ本店」では、3回目の宣言に落胆の声が聞かれました。

県内に「まん延防止等重点措置」が適用された今月8日以降、営業時間の短縮や酒類の提供を取りやめるなどの対応をとっていて、県の休業要請の対象からは外れています。

施設によりますと、ことし6月から先月にかけては売り上げが例年の水準に戻りつつあったものの、今月上旬ごろから再び例年の7割ほどまで落ちこんでいるということです。

施設を運営する宇都宮餃子会の鈴木章弘事務局長は「3度目の宣言は本当に残念でこれ以上は耐えきれない。感染の急激な拡大は予測できたと思うので、行政には先手を打ってほしかった。県がリーダーシップをとって認証制度を活用しながらなんとしても感染拡大を食い止めるという姿勢を見せてほしい」と話していました。

群馬 知事が駅前で感染対策呼びかけ

群馬県高崎市では20日朝、山本知事が高崎市のJR高崎駅前のロータリーで通勤中の人などに向け、外出の自粛や積極的なワクチンの接種を呼びかけました。

群馬県は19日も過去最多となる317人の感染が発表され、感染拡大に歯止めがかからない状況が続いています。

山本知事は「第5波は感染拡大のペースがこれまでとは桁違いで医療体制もひっ迫している。今の危機的な状況を乗り越えるには県民の協力が不可欠で、オール群馬で乗り越えていきたい」と訴えました。

そして、不要不急の外出や県外との往来を自粛することや、県営の接種センターも活用した積極的なワクチンの接種を呼びかけ、立ち止まって話をきく人の姿も見られました。

京都 旅館の予約キャンセル相次ぐ

京都市北区にある旅館では、来月から12月の秋の修学旅行シーズンは、全国各地から1日当たり2校の予約が入り、客室の稼働率は99%となっていました。

しかし、京都府に緊急事態宣言が発出されることが決まった今週、学校側から連絡が相次ぎ、すでにおよそ50校がキャンセル、30校からは「延期を検討している」などと伝えられたということです。

旅館では、修学旅行生の予約が大幅に減った分、今後は地元の家族連れ向けの新たなプランなどを早急に企画することにしています。

若おかみの馬渕能理子さんは、「予約のキャンセルが続き、日に日に予約台帳の空白が増えていくのを見るのがつらいです。お客様ありきの商売なので、感染収束を願うしかないのが現状です」と話していました。

まん延防止等重点措置 13道府県に拡大

新たに「まん延防止等重点措置」が適用された宮城、山梨、富山、岐阜、三重、岡山、広島、香川、愛媛、鹿児島の10県でも感染拡大防止の呼びかけなどが行われました。

広島 東広島 市職員たちがチラシを配る

「まん延防止等重点措置」が20日から適用された広島県東広島市では、市の職員たちが駅前でチラシを配り、市民に感染防止対策の徹底を呼びかけました。

JR西条駅前では午前7時から東広島市の高垣広徳市長や市の職員が、「東広島市はまん延防止等重点措置適用中です」と書かれたベストを着て、通勤客にチラシとマスクを配り、感染防止対策の徹底を呼びかけました。

チラシには、東広島市内の新型コロナウイルスの感染者数の推移や、家庭や職場での感染予防法などがまとめられています。

チラシを受け取った60代の女性は、「特に飲食店の方は生活に直接影響が出て大変だと思います。みんなで協力し合ってなんとかこういう時期を乗り越えていきたいです」と話していました。

松山 道後温泉 本館が臨時休館

愛媛県ではことし4月に続き2回目となる「まん延防止等重点措置」が20日から来月12日までの予定で適用されます。

これを受け松山市の観光名所・道後温泉本館と「道後温泉別館 飛鳥乃湯泉」は20日から来月12日まで臨時休館となります。

道後温泉本館では訪れた人たちが、休館を知らせる紙を確認していました。

松山市の40代の女性は、「最近は観光客の姿も多く、感染についてちょっと心配なところがあったので、感染対策としての休館はしかたないと思います。ただ、それに伴って観光業に影響が出るので、複雑な気持ちです」と話していました。

新型コロナの感染拡大にともなう道後温泉本館の臨時休館は3回目で、道後温泉旅館協同組合によりますと、感染が拡大する中、加盟するおよそ30の宿泊施設のうち今月16日から月末にかけて1日以上の休業措置をとっているのは10か所にのぼるということです。