巨人 中田翔を無償トレードで日本ハムから獲得 背番号は「10」

プロ野球、日本ハムでチームメートに暴力をふるい出場停止の処分を受けた中田翔選手が巨人に無償でトレードされ、20日開かれた会見で「今回、自分がやったことは愚かな行為だった。こうやってチャンスを頂けたので、その期待を絶対に裏切ってはいけない。自分をしっかり見つめ直してやっていきたい」と心境を語りました。

「今回 自分がやったことは愚かな行為だった」

中田選手は今月4日にチームメートに暴力をふるい、日本ハムから出場停止の処分を受けていました。
こうした中、巨人が中田選手を獲得したと発表し、20日午前11時すぎから中田選手は東京都内の球団事務所で会見を行いました。

会見で中田選手は日本ハムでチームメートに暴力をふるったことについて「今回、自分がやったことは愚かな行為だった。皆さんに迷惑をかけてしまったことを反省している。すみませんでした」と反省のことばを述べました。

そのうえで巨人への移籍について「正直はじめは何も考えられなかった。今は感謝しかない。本当にありがたいと思っている。こうやってチャンスを頂けたその期待を絶対に裏切ってはいけない。いちから見つめ直してしっかりやっていきたい」と話しました。

巨人によりますと今回のトレードは無償で行われ、背番号は「10」に決まりました。

また出場停止の処分が解かれ、20日から1軍の練習に参加するということです。

そして中田選手は14年間プレーした日本ハムについて「自分を育ててくれたのは日本ハムの皆さんだと思っている。ファンの皆さんを裏切ってしまったことを後悔している。こういう形でコメントを出すのも申し訳ないが、みんなに感謝しかない。監督も自分のことを考えてくれていたのでありがたかった」と出場停止の処分を受ける中、移籍することで新たなプレー先を確保した球団などに感謝の思いを述べました。

巨人 球団副代表「日本ハムから相談受け戦力として獲得」

巨人の大塚淳弘球団副代表は中田翔選手を獲得した経緯について「日本ハムから相談を受けて戦力として獲得した。過ちを犯さない人はいないし、人は失敗を犯す。原監督とはひとりのプレーヤーを殺さず、痛みを共有することで選手として復活させたいと話をした。原監督のもとでプレーすることで、人としてプレーヤーとして輝きを取り戻せるのではないかと思った。原監督は勝負に対して非情で、厳しい。勝負どころでは主力でもバントをさせるなど監督は特別扱いをしない。その中でプレーすることで復活すると思ったところが大きい」と話しました。

栗山監督「本当に申し訳ない 迷惑かけた分 返さないと」

日本ハムの栗山監督は暴力行為で出場停止になった中田翔選手が移籍先の巨人で復帰を目指すことについて「現場の責任者である自分にもすごく責任があるので、ファンの皆さん、子どもたち、野球界の先輩たちなどに本当に申し訳ないと思う。甘いと言われるかもしれないが人が間違いを犯した時に、ちゃんと謝って、それで道を作ってもらえたならば、あとはそのチャンスをもらって翔がどうするかだけなので。移籍は原監督を含めて巨人にはすごく覚悟がいることで感謝しかない」と話しました。

そのうえで「今シーズンが終わるまで野球をやらなければ、野球人として終わってしまう怖さも考えていたが、ただ、うちのチームで『はい、どうぞ』というところではない。いろいろなことを考えて、翔を救うと巨人が判断してくれた」と移籍へのいきさつを話しました。

また栗山監督は「今、野球をやらせていいんですか、というのは世の中にはあると思う。だけど、何が大事かというと、迷惑かけた分はどこかで返さないといけないということで『野球に少しは恩返ししろよ、子どもたちに夢を与えろよ』と言った。原監督や巨人の思いを感じて必死になってやってくれると信じているし、形で返してくれると信じている」と述べて、監督就任後、10年にわたって接してきた主力選手への思いを語りました。

平成19年高校生ドラフト1巡目指名 22年にはHR18本91打点

中田翔選手はプロ14年目の32歳。

大阪桐蔭高校では高校通算87本のホームランを打って注目され、平成19年に高校生ドラフト1巡目で日本ハムから指名されて入団しました。

中田選手は平成21年に1軍デビューしたあと、翌年にはホームラン18本、91打点といずれもパ・リーグで3位となる成績をマークするなど主力として活躍するようになりました。
日本ハムが日本一になった平成28年のシーズンでは、リーグトップの110打点をあげるなど貢献し、個人のタイトルでは打点王3回、ゴールデン・グラブ賞を4回、獲得しています。

昨シーズンは自己最多となる31本のホームランを打ち、108打点で打点王に輝きましたが、今シーズンは開幕からバッティングの調子があがらず、39試合の出場で、打率1割9分3厘、ホームラン4本、13打点にとどまっています。

中田選手は今月4日、練習試合の前に、チームメートと会話をしていた中で、突発的に相手に暴力を振るったとして、球団が出場停止の処分にしていました。

球団によりますと、中田選手は全面的に自分が悪いと反省し、再起を目指していましたが、14年所属してきた日本ハムではなく、セ・リーグの巨人で復帰を目指すことになりました。

チームメ―トへの暴力行為 経緯とてんまつ

中田翔選手は今月4日、東京オリンピックで公式戦が中断されていたなか、北海道函館市で行われたDeNAとの練習試合の前にチームメートに暴力をふるいました。

球団によりますと中田選手は試合前の練習を終えたあと、ベンチ裏に下がりましたが、そこでチームメートとの会話中に腹を立て、突発的に手を出しました。

被害を受けた選手になんら落ち度はなくその場に居合わせたほかの数人の選手に止められたということです。

中田選手はこのあと練習試合に出場して打席に1回立ちましたが、球団は暴力行為を確認したとして途中で交代させたうえで球場からの退場と自宅謹慎を命じました。

球団に被害を申し出た選手は、プレーには支障はなかったということですが球団が調査を行いました。

その結果、大ごとにしたくないという被害を受けた選手の意向や中田選手が反省していることを踏まえてもプロ野球への信頼を著しく傷つけ、厳正な対応が必要だとして今月11日に2軍の試合を含むすべての試合について当面、出場停止の処分にしたことを発表しました。

中田選手はこの処分のあと球団施設を使った自主練習は認められましたが、ユニフォームの着用はできませんでした。

また中田選手をチームの中心として起用してきた栗山英樹監督は今月16日、中田選手がチームに復帰するのは難しいかもしれないという認識を示していました。

さっそく背番号「10」の練習着で練習参加

プロ野球、日本ハムから巨人に無償トレードで移籍した中田翔選手が20日午後、東京ドームで行われた試合前の練習に参加しました。

巨人が20日、中田選手を無償トレードで獲得したと発表し午前中に会見を開いた中田選手は暴力をふるったことについて謝罪しました。

そして午後には東京ドームで行われた試合前の練習にさっそく参加しました。

はじめは日本ハム時代にチームメートだった田中豊樹投手の背番号「59」の練習着でウォーミングアップを行い、途中で背番号「10」の練習着に着替えていました。
そして原辰徳監督が見守る中、フリーバッティングではスタンドに入る当たりが8本あったほか、フェンスに直撃する打球も打っていました。

また練習の合間には、同学年の丸佳浩選手や元木大介ヘッドコーチと話し込む様子も見られました。

練習のあと、背番号「10」のユニフォームに再び着替え、原監督と記念撮影をしました。

原監督は「中田翔という選手、すべてのことを共有して進んでいく、プレーしてもらうということだ。32歳まで大きくなってきて、その感謝を忘れずに、新たなチームに大きな希望を持って来てくれたと思う。その戦いざまを見せてほしい。私自身もそれに対してしっかりとサポートしベストを尽くしたい」と話していました。

20日夜のDeNAとの試合後、元木ヘッドコーチは中田選手の状態について「バッティング練習を見ていてもいい感じだ」と評価したうえで、「スターティングメンバーかどうかはわからないが登録はするでしょう」と話し、21日、1軍の出場選手に登録する方針を示しました。

会見での一問一答 主な内容

巨人に無償トレードで移籍した中田翔選手が会見で話した主な内容です。

冒頭に本人からあいさつ
「今回、皆さんに迷惑をかけてしまったことを本当に反省している。ファンに対しても裏切ってしまったことに関して、すごく後悔や反省をしている。すみませんでした」

Q.巨人に決まったが気持ちは
A.本当にこうやってチャンスをいただき、その期待を裏切ってはいけない。
いちから自分をしっかり見つめ直してやりたい。

Q.巨人から声をかけられた時は
A.本当に複雑な思いとありがたい気持ちが入り混じっていた。正直、初めは何も考えられなかったが、今は感謝しかない。本当にありがたいと思っている。

Q.巨人のイメージは
A.すばらしい選手がたくさんいるのはわかっている。今もこうして優勝争いをしているチームなので、まだどういうチームかはわからないが、本当にすごいチームだと思っている。

Q.処分から今まで、どんな気持ちだったか
A.今回自分がやったのは愚かな行為だと思う。申し訳ない気持ちや後悔といった気持ちがすごく強かった。毎日そういうことだけは頭から離れなかった。
そういう中で野球ができない苦しさも初めて経験したし、本当に申し訳ない気持ちがずっとあった。

Q.残りの期間で信頼回復も必要だが決意は
A.自分はいちからやり直す気持ち。しっかり覚悟を持ってやっていかなければいけない。そう簡単に信頼を取り戻すことはできないかもしれないが、いちからしっかりと見つめ直し、野球人として、人として前に進んでいきたい。

Q.北海道のファンに育ててもらったがメッセージは
A.本当に今回の件で、ファンの皆さんに迷惑をかけたので、今そこに対してすごく申し訳ない気持ちだ。ファンを裏切ったことをすごく後悔しているし、申し訳ない気持ちだ。

Q.日本ハムに対してメッセ-ジは
A.自分自身ファイターズでいろんなことを学ばさせて頂いたし、先輩後輩とチームメート、ファンの皆さんもそうだが、自分は恵まれていた。
チームメートとの14年間は決して忘れることはないし、こういう形でチームメートにもコメントを出すのは申し訳ないが、みんなには感謝しかない。
監督も自分のことを考えてくれていたので、ありがたかった。

Q.自宅で過ごしていたと思うが、家族から声は
A.家族からは今回やってしまったことはしっかり反省しなければいけないと。そういう話をした上で、家族は支えていくことしかできないからと声をかけてもらった。
家族には嫌な思いをさせてしまい申し訳なかった。

Q.野球への思いで変わった部分は
A.こういう形で野球から離れるのは初めてなので、はじめの1週間は野球のことも考えられる状況ではなかった。
そこから何とか野球もまたいちから頑張ってやりたいという気持ちがすごく強かった。

Q.姿勢や意識で前向きに変わっていきそうか
A.どう考えても野球が好きなので、今回こういうチャンスを頂けたので、いちからしっかりやっていきたいと今は思う。