ファイザーワクチン3回目接種で86%発症予防か イスラエル調査

中東イスラエルの医療保険制度を担う機関は、新型コロナウイルスの3回目のワクチン接種の有効性について、60歳以上では発症を予防する効果が86%と推定されるという調査結果を発表しました。

16歳以上の8割以上が2回目のワクチン接種を終えているイスラエルでは、一時、感染者が激減しましたが、感染力が強い変異ウイルス「デルタ株」の拡大にともなって再び増加し、連日8000人前後の感染が確認されています。

また、過去1か月に重症化した人のうち、8割が60歳以上だったということです。

このため、イスラエル政府は現在、50歳以上への3回目の接種を進め、60歳以上では、すでに半数以上が接種を終えています。

こうした中、医療保険制度を担う団体の一つ「マッカビ」は18日、ファイザーのワクチンについて、60歳以上を対象にした3回目の接種の初期段階の調査結果を発表しました。

それによりますと、3回目の接種を終えた14万9144人と、2回目の接種を終えた67万5630人を比べたところ、接種後に感染が確認されたのは、3回目のグループでは37人だったのに対し、2回目のグループでは1064人だったということです。

この結果、60歳以上では、3回目の接種が発症を予防する効果は、86%と推定されるとしています。

調査を行った専門家のアナット・エッカゾハール氏は、「3回目の接種は、重症化と感染防止の双方に効果を発揮することがわかった。3回目の接種こそが、感染拡大を抑える方法だ」と強調しています。