菅首相「医療体制確保が緊急事態宣言解除の前提」

菅総理大臣は、緊急事態宣言の対象地域の拡大などを決めたことを受けて、17日夜、記者会見し、感染拡大の要因は感染力の強い「デルタ株」だと指摘し、医療体制の構築と感染防止、ワクチン接種の3つを柱に対策を進めると強調しました。また、今月末までに全国民の半数近くが2回のワクチン接種を行うという見通しを示すとともに、医療提供体制の確保が宣言解除の前提になると説明しました。

この中で、菅総理大臣は、新型コロナウイルスの感染状況について「全国各地で新規感染者の数が急増し、これまでに経験のない感染拡大が続いている。重症者の数も増加し、入院者や、自宅、ホテルで療養する方も急速に増加している。保健所の体制や医療提供体制がひっ迫し、首都圏を中心に非常に厳しい状況となっている」と述べました。

そのうえで「要因は、感染力が極めて強いとされる『デルタ株』だ。わが国においても急速な置き換わりが進み、残念ながら全く異なる様相をもたらしている」と指摘しました。

また、緊急事態宣言の対象地域の拡大や、期限の延長などを決めたことについて、各地の感染者数や病床の状況を踏まえ、必要な医療を確実に受けることができる体制を構築するためだと説明しました。

一方、菅総理大臣は、宣言の全国への拡大について「今回、閣僚の間で、全国に宣言を出す選択肢についても議論した。感染状況や医療体制には差があり、全国となると、一部の県の皆さんに過剰な規制となってしまう。地域ごとに最も効果的な対策を行っていくため、今回の判断になった」と述べました。

そして、医療体制の構築と感染防止、それにワクチン接種の3つを柱として対策を進めると強調し、全国の都道府県と市町村がきめ細かく事業者を支援できるよう、3000億円の交付金を新たに配分する方針を示しました。

さらに、ワクチン接種をめぐっては「8月末には全国民の半数近くの方が2回の接種を行い、9月末には6割近くの方が2回の接種を終え、現在のイギリスやアメリカ並みに近づく見通しだ。すべての対象者の8割に接種できる量のワクチンを10月初旬までには配分する」と述べ、若い世代への接種を積極的に進める考えを示しました。

そして、菅総理大臣は「今回の宣言を解除する前提は、国民の命と健康を守ることができる医療提供体制の確保だ。ワクチンの接種状況、重症者数、病床利用数などを分析し、適切に解除の判断をしていく。その先には、飲食店の利用、旅行、イベントなど、社会経済活動の回復が視野に入ってくるので、総力を挙げて取り組む」と述べました。

一方、衆議院の解散・総選挙について、菅総理大臣は「常に申し上げているのは、最優先すべきは新型コロナ対策だ。そのために必要な医療体制をしっかり充実させ、若い世代の人たちにワクチン接種を進めて、重症化を少なくすることが、まず私がやるべきことだ」と述べました。

そのうえで「衆議院議員の任期も刻一刻と迫り、同時に自民党総裁選挙もある。解散について、選択肢がだんだん少なくなってきているが、その中で行っていかなければならない。いずれにしろ※感染対策を最優先にしながら考えていきたい」と述べました。

さらに、自民党総裁選挙への対応について「以前『秋の総裁選挙に出るか』と質問があり、『総裁として出馬するのは、時期がくれば当然のことだ』と答えた。それに変わりはない」と述べました。