タリバン 女性の就労など認める考え示すも メディア統制開始か

政権が崩壊したアフガニスタンの新たな政権づくりに向けて、反政府武装勢力タリバンの報道官は首都カブールで初めて記者会見し、イスラムの教えの範囲内で女性の就労や教育、それにメディアの活動などを保障する考えを示しました。ただ、テレビでは宗教色の強い番組が放送されるなどメディアの統制が始まっているものとみられます。

アフガニスタンでは、アメリカ軍が今月末までの撤退を進める中タリバンが首都カブールに進攻し、政権が崩壊しました。

カブールでは17日、タリバンのムジャヒド報道官が初めて記者会見しました。

このなかで報道官は「われわれはすべての人を許し、政府軍や外国勢力のために働いていた人たちにも報復はしない。また、いかなる国の脅威にもならない」と述べ、国の融和や国際社会との良好な関係を目指していく考えを示しました。

そのうえで、イスラムの教えの範囲内で女性の就労や教育を認めるとともにメディアの活動なども保障する考えを示し、国民や国際社会の不安の払拭に努める発言を繰り返しました。

ただ、テレビ局の多くは、政権崩壊前は歌番組や外国のドラマなどの娯楽番組を放送していた時間帯に、今ではイスラムの教えを解説するなどの宗教色の強い番組を放送していて、メディアの統制が始まっているものとみられます。

南部ヘルマンド州のフリージャーナリストの男性はNHKの取材に対し、街の様子は平常を取り戻しつつあるとしながらも「地元の一部のテレビはタリバン上層部の方針が決まっていないため放送を休止している。ラジオはイスラム教に沿った内容で番組を放送している」と話していました。

米国務省プライス報道官 “実際の行動で示せ”

アメリカ国務省のプライス報道官は17日の記者会見で、タリバンがイスラムの教えの範囲内で女性の就労や教育などを保障する考えを示したことについて「タリバンが人々の権利を尊重するというのなら、こうした発言を守るよう求める」と述べ、実際の行動で示すよう求めました。

さらに、今後の新しい政権づくりについて「正式な権力の移行は行われておらず、それぞれの代表の間で対話が続いている。われわれの目的はこの対話を支援することだ」と述べ、旧政権とタリバンの協議を、関係する国々とともに支援していく考えを示しました。

加藤官房長官 “在留邦人の帰国支援など継続”

加藤官房長官は記者会見で「今のところ、けが人など、在留邦人の生命や身体に影響があったという情報は入手していない。アフガニスタンに対しては、全土で『退避勧告』を発出しており、直ちに退避するよう呼びかけてきた。現時点で確認されている在留邦人は、国際機関や組織に所属する方々など少人数だ。政府としては、引き続きイスタンブールの臨時事務所などを通じて、現地に在留しているすべての邦人と連絡をとり帰国支援を含め、必要な支援を今後とも行っていきたい」と述べました。