東京都 重症の感染者 8日連続で過去最多を更新 病床確保も難航

東京都内では、新型コロナウイルスに感染した重症の患者が急増していて、都が確保している重症患者用の病床に占める割合は17日時点で70%を超え、これまでで最も高くなりました。

都の基準で集計した重症の患者は、17日時点で276人で、8日連続で過去最多を更新しました。

この1か月では4.7倍、今月1日と比べると2.7倍で急増しています。

これに伴って、都が確保する病床に占める割合も上昇しています。

都は現在、重症の患者用に392床を確保していますが、割合は17日時点で70.4%になりました。

ことし1月20日の64.0%を上回り、過去最高となった16日からさらに2ポイント高くなっています。

今月1日は25.8%で、2週間余りで45ポイント上昇していて、専門家が「深刻な機能不全に陥っている」と指摘している都内の医療提供体制は危機的な状況になっています。

患者の増加を受けて、都は、医療機関に対し、今月6日をめどに追加で病床を確保するよう要請していましたが、医師や看護師などの医療従事者が不足していることなどから調整が難航していて、10日以上たった17日も重症の病床がどれくらい追加できるのか見通しがたっていないということです。

医師「都内の重症患者の病床 “満床”状態」

東京都内の入院調整に関わる医師がNHKの取材に応じ、重症の患者の入院調整が厳しい状況になっていると話しました。

この医師によると、その日に重症の患者を受け入れられるICU=集中治療室の空き病床の数について医療機関から来る報告は、最近では1日1床や2床しかないということです。

これに対して、入院の要請は80件や90件来ることもあり、入院調整が厳しい状況に追い込まれているということです。

この医師は「都内の重症患者の病床は私の感覚だと“満床”状態だ。受け入れられるという報告が来ていない医療機関にも片っ端から電話をかけて朝から受け入れのお願いをしている状態だ」と話しています。

そのうえで、最近の傾向として「自宅療養中の患者がいきなり重症となり、入院先を探すケースが多い。これまでにはなかった傾向だがそれでもすぐに入院につなげられないケースもあり、祈るような気持ちで乗り切っている」としています。

さらに、最近の入院調整の状況については「そもそもすぐに受け入れられる病床がなく、最近は調整機能を失っている。新型コロナ以外の手術など通常の医療をすべて止めるわけにもいかないので、空いている病床数があるように見えても現実的には余裕はない」と話していました。