前線停滞 西・東日本中心に災害の危険性急激に高まるおそれ

停滞する前線の影響で西日本と東日本の太平洋側を中心に断続的に非常に激しい雨が降っています。

九州では1週間で年間の降水量の半分を超えるなど各地で記録的な大雨となっていて、土砂災害や川の氾濫などに厳重な警戒が必要です。

今後まとまった雨が降ると災害の危険性が急激に高まるおそれがあり、安全な場所で過ごすようにしてください。

西・東日本再び雨強まる

気象庁によりますと、日本付近に停滞を続ける前線に向かって湿った空気の流れ込みが再び強まり、九州から関東甲信にかけての太平洋側を中心に活発な雨雲が流れ込んでいます。

18日午前4時までの1時間には
▽鹿児島県が南大隅町に設置した雨量計で59ミリの非常に激しい雨を観測したほか、
▽高知県が安芸市に設置した雨量計で33ミリの激しい雨を観測しました。

鹿児島県枕崎市では48時間の雨量が454.5ミリと観測を開始してから最も多くなったほか、和歌山市でも24時間の雨量が196.5ミリと8月としては観測開始以来最多となっています。

近畿や四国、九州ではこのほかにも24時間の雨量が200ミリから300ミリに達しているところがあります。

これまでに降った雨で、佐賀県、長崎県、福岡県、熊本県、鹿児島県、徳島県、兵庫県、愛知県、岐阜県、静岡県、それに長野県では土砂災害の危険性が非常に高まり、「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があります。

土砂災害や川の氾濫などに厳重な警戒が必要です。

総雨量1200ミリ超 年間降水量の半分超も

今月11日の降り始めから18日午前4時までの雨量は
▽長崎県雲仙岳で1221.5ミリに達したほか
▽佐賀県嬉野市で1171ミリと
九州を中心に西日本や東日本の各地で記録的な大雨となっています。

嬉野市や福岡県大牟田市ではわずか1週間で平年の年間降水量の半分を超えています。

九州や中国地方、近畿、東海などこれまでに大雨となった各地では今も土壌に大量の水がたまっているため、ふだんよりも少ない雨や短い時間で土砂災害や川の氾濫など、災害の危険性が急激に高まるおそれがあります。

決して油断せず、引き続き厳重な警戒が必要です。

状況が悪化する前に安全な場所で過ごすようにしてください。

今後の予想

今後の見通しです。

日本海西部にある低気圧に向かって流れ込む暖かく湿った空気や上空の寒気の影響で大気の状態が非常に不安定になり、西日本と東日本の広い範囲で1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降るおそれがあるほか、北日本でも雷を伴って激しい雨が降るおそれがあります。

19日朝までの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで
▽九州南部で200ミリ
▽四国で180ミリ
▽東海で150ミリ
▽九州北部、近畿、関東甲信、北海道で120ミリ
▽中国地方で100ミリ
▽北陸、東北で80ミリと予想されています。

その後、20日朝までの24時間には、いずれも多いところで
▽四国で100ミリから200ミリ
▽近畿で100ミリから150ミリ
▽九州北部と南部、中国地方、東海で50ミリから100ミリの雨が降ると予想されています。

前線の活動は19日以降次第に弱まる見込みですが、すでに大雨となっている地域では土砂災害が多発したり、これまでより規模の大きな災害が起きたりするおそれがあります。

自治体が発表している情報などを確認して、災害の危険のある場所にいる人は早めに安全な場所に避難し、すでに避難している人は引き続き安全な場所で過ごすようにしてください。

また、過去の災害では家族の声かけで命が助かったケースがあります。

大雨が予想される地域に家族や知人がいる方は電話をかけるなどして避難を呼びかけてください。

なぜ前線がとどまり続けるの?

今月11日から降り続く雨で、各地で記録的な大雨となっています。

原因は本州付近にとどまり続ける「前線」にありますが、
なぜこれほど長く停滞しているのでしょうか。

2つの高気圧

前線はこの1週間、日本の西から東の海上にかけて同じような位置で停滞を続けています。

気象庁によりますと、前線は夏の暑さをもたらす南側の「太平洋高気圧」と涼しい空気をもたらす北側の「オホーツク海高気圧」の間にできています。

通常この時期は「太平洋高気圧」が強まって日本付近は晴れますが、現在は「太平洋高気圧」の張り出しが弱い一方で、「オホーツク海高気圧」の勢力が強い状態が続き、前線が停滞し続けているということです。

さらに、通常この時期には北海道の北の上空を西から東へと吹く偏西風が、現在は本州付近へと南に蛇行し続けていることも前線が停滞する要因になっているとしています。

前線の停滞は今月20日ごろまで続く見通しだということです。

西日本に強い寒気が入る見通し

この前線に向かって南側から湿った空気が流れ込んで雨が降り続いているほか、これから西日本の上空にこの時期としては強い寒気が入る見通しです。

このため、さらに前線の活動が活発になり、大気の状態が非常に不安定になる見込みで、広島県を含む中国地方や九州などで急激に雨量が増えるおそれもあります。

これまでの大雨ですでに土壌に多くの水分を含み、土砂災害の危険性が高まっているところに短時間に大量の雨が降れば、一気に災害を引き起こすおそれもあり、引き続き、厳重な警戒が必要です。