「抗体カクテル療法」宿泊療養施設では医師の24時間配置が課題

都内の宿泊療養施設で始まった新型コロナウイルスの「抗体カクテル療法」は、患者の容体の急変に備えて、夜間はいない医師を24時間配置することが必要で、医療体制がひっ迫するなか体制づくりが課題となります。

「抗体カクテル療法」は、2つの薬を同時に点滴投与することで抗体が作用してウイルスの働きを抑える治療法で、都内では先月から一部の医療機関で、先週からは都の宿泊療養施設で始まっています。

このうち、宿泊療養施設では16日までに患者7人に対してこの治療が行われました。

ただ、宿泊療養施設で行うには、患者の容体の急変に備えて、ふだん、夜間はいない医師を24時間配置することが必要ですが、重症の患者が過去最多となるなど医療体制がひっ迫するなか、いかに医師を確保するのかなど早急な体制づくりが課題です。

一方、都によりますと、入院患者を受け入れているほとんどの病院がこの治療法の導入を希望しているということです。

しかし、この治療法は、軽症の人の重症化を防ぐことが目的のため、専門家は、中等症か重症の患者が多い病院よりも、軽症者が多い宿泊療養施設での実施が今は有効だとしています。

都は、なるべく多くの人にこの治療法を活用できるよう検討したい考えです。