東南アジア GDPプラス成長も感染再拡大で経済回復遅れるおそれ

東南アジア主要国のことし4月から6月までのGDP=国内総生産の伸び率は、感染拡大の影響が大きかった去年の反動でプラス成長に転じました。しかし、あしもとでは変異ウイルスが猛威を振るっていて、経済の回復が遅れるおそれが強まっています。

東南アジアで経済規模が最大のインドネシアのことし4月から6月までのGDPの伸び率は、去年の同じ時期と比べてプラス7.0%でした。

プラス成長は5期ぶりで、輸出が増えたほか、新型コロナウイルスの影響で経済活動を厳しく制限していた去年からの反動が主な要因です。

また、マレーシアもプラス16.1%で5期ぶりのプラスになったほか、フィリピンはプラス11.8%、タイはプラス7.5%でいずれも6期ぶりのプラス成長になりました。

しかし、あしもとでは多くの国で変異したウイルス、デルタ株の広がりもあって感染が再拡大し、経済活動の制限が続いているほか、ワクチンの普及も十分に進まず、大きな課題になっています。

インドネシアやタイ、それにマレーシアでは、中央銀行がことし1年間のGDPの見通しを下方修正していて、アメリカや中国など、GDPが感染拡大前の水準を回復するところもある中で、東南アジアでは経済の回復が遅れるおそれが強まっています。