マレーシア ムヒディン首相が辞表提出 感染対策で失敗と批判も

マレーシアのムヒディン首相は、新型コロナウイルスの感染対策で失敗したと政権への批判が高まる中、16日、国王に辞表を提出し、受理されました。

マレーシアのムヒディン首相は16日、王宮を訪問して国王と面会し、辞表を提出して内閣が総辞職することを伝えました。

国王は辞表を受理し、総辞職を認めたうえで、ムヒディン氏を新たに暫定首相に任命し、次の首相が決まるまで政権を維持するよう指示しました。

このあと、ムヒディン暫定首相は、国民向けの演説で「議会で過半数の支持を得られなくなったので、私は辞表を提出した」と述べて、与党連合の内部から離反者が相次いだため、辞表を提出したと明らかにしました。

ムヒディン氏は、去年2月に当時首相だったマハティール氏が辞任したあと、国王に任命されて首相に就任しましたが、選挙を経ずに発足した政権に対する反発があり、野党と対立を続けていました。

こうした中、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻となり、ことし6月から経済活動や人の移動を厳しく制限するいわゆる「ロックダウン」を実施していますが、今月に入っても新たな感染者数が連日2万人前後に上り、歯止めをかけることができませんでした。

国民の間で「感染対策で失敗した」と政権への批判が高まり、野党だけでなく与党連合の内部からも辞任を求める圧力が強まっていました。