東京パラ24日開幕 バス会社はコロナ感染対策など入念な準備

今月24日に開幕する東京パラリンピックではオリンピックと同様に選手や大会関係者の輸送に多くのバスが用いられますが、障害がある選手にはオリンピックの水準以上の新型コロナウイルスの感染対策や運行管理が求められるとして、バス会社では入念な準備を進めています。

東京パラリンピックでは、選手や大会関係者を輸送するため一般的な貸し切りバスだけでなく、車いすに対応したリフト付きのバスなども含めて1日最大でおよそ1000台が運行する予定です。

東京 北区のバス会社では、リフト付きのバスや2階建てで1階部分に車いすを収納できるバスなど7台で選手を送迎する予定で、運転手やガイドが研修を受けるなどして準備を進めています。

研修では参加者が車いすをバスに乗せる手順などを一つ一つ確かめて、スムーズな運行につなげられるよう習熟を図っています。

また、パラリンピックの選手は車いすの扱いに慣れているため、すぐに手伝おうとしないで相手の意向を踏まえて対応し、手伝う場合も慎重に接することが重要だと学んでいました。

さらに障害や基礎疾患で重症化リスクが高い選手もいて入念な感染対策が必要だとして、車いすを触るときなどは使い捨ての手袋を着用することや選手と一定の距離を保つことなどを確認していました。

参加した女性ガイドは「コロナ禍なのであまり近すぎず、しかし、遠すぎないよい距離感を持っておもてなしの精神で輸送に努めたいです」と話していました。

このほか、バスには目的地に誘導するタブレットが設置されるものの、不具合などが起きれば暑さの中で選手を待たせ大きな負担をかけることになるため、運転手が事前にルートを把握するとともに紙の地図も携帯することを確認していました。

バス会社の運輸部の藤田聰統括次長は「パラリンピックの選手は感染に一層気をつけないといけないので、乗務員から感染させてしまうことは絶対にあってはならない。選手たちに大会に参加してよかったと思ってもらえるよう最善の努力をしていきます」と話していました。

オリンピックの課題は

東京パラリンピックに先立って開かれたオリンピックでは、選手や関係者を輸送するバスをめぐって、車内の混雑による新型コロナウイルスの感染を懸念する声が相次いだほか、配車や運行管理のトラブルも起きました。

東京オリンピックでは、選手や関係者の輸送に全国のバス会社からバスが集まり、1日当たり最大2200台が運行しました。

大会組織委員会は車内の定員の目安を余裕をもって設けることなどで感染対策を徹底するとしていましたが、大会序盤を中心に、海外からのメディア関係者から座れずに立っている人も多く混雑していて不安だという声が写真とともにSNS上に発信されるケースが相次ぎました。

また、選手村の関係者からも、バスが混雑して乗りきれず次の便まで1時間近く待たされることや予定の時間より到着が遅れることもあり、厳しい暑さの中で選手が長時間待たされたという指摘が上がりました。

これらについて大会組織委員会は、短時間に利用者が集中したこと最新の運行計画が正確に伝わらなかったこと、目的地へ誘導する専用タブレットで通信環境の問題により不具合が生じたことなどが要因だとしています。

組織委員会はピーク時の増便や専用タブレットの通信環境の改善などによってトラブルは解消したとしていて「パラリンピックに向け、引き続き、安全・円滑な輸送サービスを提供していく」としています。

東京五輪に参加したバス会社の関係者は

東京オリンピックのバス輸送に参加した関西地方のバス会社の関係者の男性がNHKの取材に応じました。

およそ10人の運転手とともに大会関係者の輸送を担当しましたが、感染対策や運行管理に課題を感じたといいます。

この男性は車内の混雑があったとして、「運転手は『どれだけ乗ってくるのか。コロナの問題もあり、感染するのではないかと怖かった』と話していた。感染への不安も抱きながらの運行でもあった」と語りました。

また、専用タブレットの不具合について「東京の道に慣れておらず頼りにしていたのでとても不安になった。目的地が分からないので遅れも発生した。徐々に不具合は解消していったが、いつまた止まるかわからず、詳細な地図をみずから用意するなど不具合の時の対処法を常に用意していた」と話していました。

そのうえでオリンピックの輸送を振り返って「期間中、大きな事故なく終わることができたが、当初の予想とは異なり全体が混乱していて振り回されたように感じた大会だった」と話していました。

このバス会社はパラリンピックには関わりませんが、パラリンピックの輸送について「オリンピックのように運行に乱れがでると、炎天下でパラリンピックの選手を待たすことでの体調不良や、車内が密になることへの懸念がある。組織委員会には運行計画を実態に即したものに見直すなどオリンピック輸送の教訓を生かしてほしい」と話していました。