大規模な感染症データバンク運用始まる 研究機関などに提供へ

新型コロナウイルスをはじめとする新たな感染症の研究に活用するため、患者の血液などのサンプルや治療情報を集めた大規模な感染症のデータバンクを国立国際医療研究センターなどが立ち上げました。今後、新型コロナの患者、1万人分のデータを集め、研究機関などに提供していくということです。

このデータバンクは新型コロナウイルスなどの新たな感染症に対する治療法や予防法などの研究を進めるため、国の委託を受けた国立国際医療研究センターと国立感染症研究所が立ち上げたもので、今月はじめから運用が始まりました。

国内のおよそ50の医療機関と連携し、感染症の患者から提供された血液などのサンプルやウイルスの遺伝子情報、それに治療情報などを集め、大学や研究機関などに提供するということです。

すでにおよそ200人分の新型コロナの患者のデータが登録されていて、当面は1万人分のデータ登録を目指すということで、早ければ年内にもデータの提供を始める予定だということです。

責任者を務める国立国際医療研究センターの杉浦亙臨床研究センター長は「新しい感染症に対しては迅速な対応が求められる中で、こうしたバンクの意義は大きい。治療薬の研究、開発などに役立ててほしい」と話しています。