佐賀 長崎 福岡 広島に大雨特別警報 西日本~東北で厳重警戒

停滞する前線の影響で発達した雨雲が流れ込み続け、佐賀県と長崎県、福岡県、広島県には大雨の特別警報が発表されていて、最大級の警戒が必要です。

気象庁は、15日にかけて西日本と東日本を中心に線状降水帯が発生しやすい状態が続くとしています。

いま災害が発生していない地域でも、早めの安全確保を心がけてください。

佐賀県・長崎県・福岡県・広島県に「大雨特別警報」

気象庁によりますと、停滞する前線の活動が活発になっている影響で、九州北部や中国地方、東海、それに長野県などに発達した雨雲が流れ込み続け記録的な大雨となっています。

気象庁は佐賀県と長崎県、福岡県、それに広島県に大雨の特別警報を発表しました。

5段階の警戒レベルのうち最も高いレベル5にあたる情報で最大級の警戒が必要です。

午後5時までの1時間には、
▽佐賀県が武雄市に設置した雨量計で60ミリの非常に激しい雨を観測したほか、
▽岐阜県八百津町の伽藍で30.5ミリ、
▽福岡県北九州市小倉南区で30ミリの激しい雨が降りました。

これまでの雨で各地で川の氾濫や土砂災害が発生しています。

国土交通省などは、これまでに
▽佐賀県武雄市を流れる六角川と、
▽広島県と島根県を流れる江の川で、氾濫が発生したと発表しました。

九州北部・広島県・山口県で1か月分の2~3倍雨量に

およそ3日間に降った雨の量は西日本と東日本の各地で平年8月1か月分を超えています。

九州北部ではおよそ3日間に降った雨の量が多いところで平年の8月1か月分の3倍を超える大雨となり、広島県と山口県でも各地で平年の8月1か月分の2倍以上の雨が降り、広島県では3年前の西日本豪雨の時の雨量を超えています。

気象庁は、これまでに降った大雨で数十年に一度しかないような甚大な被害の危険が迫っているとして、土砂災害や川の氾濫、低い土地の浸水に最大級の警戒を呼びかけています。

土砂災害の危険性が非常に高まり「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があります。

佐賀県と長崎県、福岡県、大分県、熊本県、広島県、山口県、岡山県、鳥取県、島根県、徳島県、大阪府、京都府、滋賀県、兵庫県、奈良県、富山県、愛知県、岐阜県、長野県、山梨県、それに福島県です。

また、佐賀県と福岡県、広島県、山口県、島根県、岡山県、京都府、岐阜県、それに長野県では氾濫の危険性が非常に高い「氾濫危険水位」を超えている川があります。

今後の予想・西日本から東北の広範囲で大雨おそれ

今後の見通しです。

前線上にある低気圧が14日夜から15日夜にかけて西日本と東日本を通過するため、前線の活動が再び活発になる見込みです。

15日にかけては西日本と東日本を中心に線状降水帯が発生しやすい状態になり、1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降り、大雨となるおそれがあります。

15日夕方までの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで
▽東海で300ミリ
▽関東甲信で250ミリ
▽九州北部と四国、中国地方、それに近畿で200ミリ
▽九州南部で180ミリ
▽北陸と東北で100ミリと予想されています。

その後、16日夕方までの24時間には
▽九州南部で100ミリから150ミリ
▽九州北部と関東甲信で50ミリから100ミリ
▽四国と中国地方、近畿、東海、北陸、東北でおよそ50ミリと予想されています。

前線は今後1週間程度本州付近に停滞する見込みで雨量はその後もさらに増えるおそれがあります。

気象庁は西日本から東北の広い範囲で土砂災害や川の氾濫、低い土地の浸水に厳重に警戒するよう呼びかけています。

前線は1週間程度停滞・災害起きる前に安全確保を

西日本を中心に、東日本や東北などどこで災害が起きてもおかしくない状況となっています。

いま災害が発生していない地域でも、これまでの大雨で危険な状態になっています。

今後の雨で規模の大きな災害が発生する可能性もあり、暗くなる前の早めの安全確保を心がけてください。

周囲の状況を確認し、避難場所までの移動が危険な場合には近くの頑丈な建物に移動したり、外に出るのがすでに危険な場合は建物の2階以上で崖や斜面と反対側の部屋に移動したりするなど、少しでも命が助かる可能性が高い行動を取ってください。

前線はこのあとも1週間程度本州付近に停滞する見込みで、西日本から北日本にかけての広い範囲で総雨量が増え、各地で大雨になる見込みです。

ふだんより細かく雨雲の状況や土砂災害の危険度などを調べて危険が迫る前に安全な場所に移動するようにしてください。

また、過去の災害では家族の声かけで命が助かったケースがあります。

大雨が予想される地域に家族や知人がいる方は電話をかけるなどして安全な場所に移動するよう呼びかけてください。

気象衛星が撮影「雲頂強調画像」公開 発達した積乱雲の可能性も

気象庁は気象衛星ひまわりが撮影した画像に、雲の高さ「雲頂」の高い場所を色づけした「雲頂強調画像」を公開しています。

赤く色づけられた領域ほど背の高い雲があることを示していますが、14日正午の画像では九州の西の海上に大きな赤い塊が描かれていることが確認できます。

こうした場所には非常に発達した積乱雲が含まれている可能性があります。

雲は次第に東へと移動し、このあと九州を中心にさらに大雨をもたらすおそれがあります。

状況がさらに悪化する危険性があるので、引き続き、厳重に警戒してください。

今のうちに安全な場所へ避難してください。

気象庁「暗いなかでの避難 危険伴う 明るいうちに早めの判断を」

広島県に大雨の特別警報を発表したことを受けて、気象庁は会見を開き、黒良龍太予報課長は「広島県ではきのうも特別警報が発表されていて、広島市北部の地域で土砂災害の危険度が高まっていたが、きょうは降り続いた大雨の影響で、市内全域で警戒が必要となっている」と危機感を示しました。

そのうえで「広島県以外の佐賀県、長崎県、福岡県でも特別警報が発表されているため、最大級の警戒をお願いしたい。さらに特別警報が発表されていない滋賀県、岐阜県、長野県など、西日本から東日本の広い範囲で土砂災害や洪水の危険度がかなり高まっている。これから夜の時間帯を迎え、暗いなかでの避難は危険を伴うこともあるので、明るいうちに早めの判断を行ってほしい」と呼びかけていました。

また、国土交通省河川環境課の内藤正彦課長は「特別警報が発表されている広島県や九州北部の河川で洪水が起こりつつあり、水位の上昇が予想される川もある。特別警報が発表されている地域から離れた長野県を流れる木曽川の支川などでも水位が上昇している。最新の雨の状況を確認しながら河川の水位についても警戒を続けてほしい」と話していました。

各地の72時間降雨量(14日午後5時まで)

午後5時までの72時間に降った雨の量は、西日本と東日本の32の観測点で観測史上最も多い記録的な大雨になっています。

観測史上最も多くなっているのは
佐賀県では
▽嬉野市で913.5ミリ
▽鳥栖市で775.5ミリなど。

長崎県では
▽長崎市長浦岳で794ミリ
▽雲仙岳で764.5ミリなど。

福岡県では
▽八女市黒木町で727ミリ
▽久留米市で662ミリなど。

広島県では
▽広島市三入で462ミリ
▽北広島町都志見で435.5ミリなど。

山口県では
▽周南市和田で407ミリなど。

▽岐阜県では中津川市で276ミリ

▽石川県では宝達志水町で294.5ミリ

▽富山県では氷見市で281.5ミリとなっています。