新型コロナ 新規感染者数1週間平均 42都道府県で感染拡大続く

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、東京都では緊急事態宣言が出されて1か月余りたっても、過去最多の感染者数を更新する中での感染拡大が続いているほか、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出されている地域を含む42の都道府県で感染拡大が続いています。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数を元に、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国

全国では、
▽先月15日までの1週間では前の週と比べて1.41倍、
▽先月22日は1.56倍、
▽先月29日は1.69倍、
▽今月5日は1.83倍、
▽12日まででは1.24倍で、7週連続で増加していて感染者数が過去最多となっている中でもさらに拡大しています。

1日当たりの新規感染者数はおよそ1万4728人となっていて、42の都道府県で感染拡大が続いています。

緊急事態宣言の地域

東京都は先月12日に緊急事態宣言が出されたあとも感染者が増加し、
▽先月29日までの1週間では前の週の1.62倍、
▽今月5日は1.64倍、
▽12日まででは1.09倍と増加のペースはやや緩やかになったものの、8週連続で感染が拡大しています。

1日当たりの新規感染者数は3976人と、先週よりおよそ330人増え、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数も199.93人と、厳しい感染状況となっています。

5月23日から緊急事態宣言が続いている沖縄県では、先月中旬から再び増加に転じ
▽先月29日までの1週間では前の週の2.19倍、
▽今月5日は1.93倍、
▽12日まででは1.19倍と5週連続で感染が拡大しています。

1日当たりの新規感染者数はおよそ532人で、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は256.09人と全国で最も高くこれまで国内のどの地域でも経験したことのない規模の感染拡大が続いています。

今月2日から緊急事態宣言が出されている首都圏の3県と大阪府でも増加のペースはやや緩やかになったものの、感染拡大が続いています。

神奈川県は
▽先月29日までの1週間では前の週の1.52倍、
▽今月5日は2.02倍、
▽12日まででは1.22倍と7週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ1849人となっています。

埼玉県は
▽先月29日までの1週間では前の週の1.73倍、
▽今月5日は1.77倍、
▽12日まででは1.30倍と8週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ1301人となっています。

千葉県は
▽先月29日までの1週間では前の週の1.61倍、
▽今月5日は1.90倍、
▽12日まででは1.22倍と10週連続で感染が拡大していて1日当たりの新規感染者数はおよそ989人となっています。

大阪府は
▽先月29日までの1週間では前の週の1.67倍、
▽今月5日は1.67倍、
▽12日まででは1.27倍と6週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ1205人となっています。

重点措置の地域

まん延防止等重点措置が適用されているほとんどの地域で感染拡大が続いています。

北海道は
▽先月29日までの1週間では前の週の1.48倍、
▽今月5日は1.81倍、
▽12日まででは1.25倍で1日当たりの新規感染者数はおよそ347人となっています。

石川県は
▽先月29日までの1週間では前の週の1.89倍、
▽今月5日は1.19倍、
▽12日まででは0.80倍で1日当たりの新規感染者数はおよそ70人となっています。

京都府は
▽先月29日までの1週間では前の週の1.88倍、
▽今月5日は2.06倍、
▽12日まででは1.42倍で1日当たりの新規感染者数はおよそ283人となっています。

兵庫県は
▽先月29日までの1週間では前の週の1.59倍、
▽今月5日は2.11倍、
▽12日まででは1.36倍で1日当たりの新規感染者数は466人となっています。

福岡県は
▽先月29日までの1週間では前の週の2.62倍、
▽今月5日は2.36倍、
▽12日まででは1.37倍で1日当たりの新規感染者数はおよそ734人となっています。

今週から重点措置の地域

今週から新たに重点措置が適用された地域でも、感染拡大が続いています。

福島県は
▽先月29日までの1週間では前の週の3.42倍、
▽今月5日は1.84倍、
▽12日まででは1.13倍で1日当たりの新規感染者数はおよそ103人となっています。

茨城県は
▽先月29日までの1週間では前の週の1.82倍、
▽今月5日は2.05倍、
▽12日まででは1.20倍で1日当たりの新規感染者数はおよそ247人となっています。

栃木県は
▽先月29日までの1週間では前の週の2.54倍、
▽今月5日は1.70倍、
▽12日まででは1.06倍で1日当たりの新規感染者数はおよそ133人となっています。

群馬県は
▽先月29日までの1週間では前の週の3.24倍、
▽今月5日は2.49倍、
▽12日まででは1.14倍で、1日当たりの新規感染者数は136人となっています。

静岡県は
▽先月29日までの1週間では前の週の2.00倍、
▽今月5日は1.76倍、
▽12日まででは1.65倍で、1日当たりの新規感染者数はおよそ235人となっています。

愛知県は
▽先月29日までの1週間では前の週の1.62倍、
▽今月5日は1.88倍、
▽12日まででは1.56倍で1日当たりの新規感染者数はおよそ422人となっています。

滋賀県は
▽先月29日までの1週間では前の週の2.13倍、
▽今月5日は2.66倍、
▽12日まででは1.68倍で1日当たりの新規感染者数はおよそ112人となっています。

熊本県は、
▽先月29日までの1週間では前の週の4.83倍、
▽今月5日は2.40倍、
▽12日まででは1.44倍で1日当たりの新規感染者数は129人となっています。

政府分科会 舘田教授「お盆は移動控え、感染対策徹底を」

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出されている地域以外でも感染が急激に増加し、全国的に第5波の感染爆発が見られているような状況だ。東京都ではPCR検査の陽性率が20%を超えていて、十分に検査されていない可能性もある。検査されていない人たちの間でさらに感染が広がっている可能性や来週、お盆明け以降に急激な増加として見られてくる可能性も考えておかないといけない」と指摘しました。

また、医療体制について「第4波のときに大阪や関西で非常に厳しい状況になったのと同じようなことがいま首都圏で見られ、全国的に非常に厳しい状況に向かいつつある。東京都ではこれまでにない重症者数になっていて、入院もままならない中で、重症化あるいは亡くなる人も出てくる状況になっていることを認識する必要がある。また、沖縄県では医療の供給体制がぜい弱な部分があり、重症患者が次第に増えてきている状況を考えると、医療のひっ迫から崩壊につながらないよういま対策しなければならない」と強調しました。

そのうえで舘田教授は「とにかくこの1週間、2週間が非常に大事な時期になる。百貨店など大規模商業施設を含めて人が集まる場所に対して休業要請をするなどして人の動きを止めることを考えておかないといけない。この1年半でいちばん厳しい状況になりつつあるということを共有していただいて、お盆はできるだけ移動を控え、自宅の周りの近場で過ごしてほしい。マスクを適切に使うことはもちろん、換気や人と人との距離を取る、人と接触する時間を短くする、これらの感染対策を徹底することが重要だ」と訴えました。