「洪水」の特徴 川の規模で変化 ハザードマップでリスク確認を

「洪水」の特徴 川の規模で変化 ハザードマップでリスク確認を
今回の大雨は「いつどこで大雨になってもおかしくない状況が来週にかけて続く」と指摘されています。長期間、大雨が降ることで洪水の危険性が高まりますが、「洪水」の起こり方や避難のタイミングは、川の規模によっても変わります。「洪水」の特徴やハザードマップの見方をまとめました。

ハザードマップの見方は?

避難を判断するうえで参考になるのが、自治体が作る「ハザードマップ」です。

パソコンやスマートフォンから確認する方法です。

国土交通省が公開している「重ねるハザードマップ」は、洪水や土砂災害のリスクがある場所を1つの地図に重ねて表示することができるサイトです。
サイトではまず、知りたい「災害種別」を選択します。

「洪水」や「土砂災害」などのアイコンをクリックすると、災害のリスクがある場所が地図上に表示されます。
そして画面上部のスペースに見たい場所を入力し、詳しく確認したい場所をクリックするとその場所の災害リスクが把握できます。

「ハザードマップ」のチェックポイント

自宅が浸水の想定される範囲にある時は浸水の深さも確認してください。想定される浸水の深さが3m以上だと平屋は水没、2階にいても浸水します。

また「家屋倒壊等氾濫想定区域」に指定されている範囲では水位が高く流れ出る水の速度も速いため建物ごと流されるおそれがあります。

自宅は大雨の際にとどまってもよい場所なのか、あらかじめ確認してください。

過去の洪水被害は

続いて「洪水」の特徴です。

洪水の起こり方は、川の規模によって変わるため、避難のタイミングや注意点も異なります。

中小河川 “水位上昇が急激”

中小河川は川幅が狭く水位が急激に上がります。

2016年の台風10号では岩手県岩泉町の小本川で水位が数時間で上昇して氾濫し、川沿いの高齢者施設が浸水して入居者9人が死亡しています。

また、山あいでは水だけでなく流木などが建物に被害を与える危険性もあります。

浸水が想定される場所にいる場合、自治体が高齢者等避難の情報を出したら、移動に時間のかかる高齢者は移動を開始するなど早めの対応が必要です。

大河川 “広範囲が長時間浸水”

大きな川はひとたびあふれると広い範囲が、長時間浸水します。

2015年の関東・東北豪雨では、鬼怒川の氾濫で茨城県常総市の3分の1が浸水し、水がひくまでに10日かかりました。

大河川 “雨やんだあと水位上昇も”

雨がやんでからも水位の上昇が続くことがあります。

2019年の台風19号では、大雨の特別警報が解除されてから氾濫が発生するケースが相次ぎ、福島県の阿武隈川上流では特別警報の解除から9時間後に氾濫が確認されています。

一度避難をしたら、雨がやんでも川の水位や自治体の避難情報を必ず確認してから戻るようにしてください。

ハザードマップで示されない場所でも災害のおそれ

一方、まだハザードマップに浸水の想定がのっていない中小河川も多くあり、こうしたところで被害が出る危険性もあります。

地図上にリスクが示されていなくても川の近くや低い場所に住む人は、身の回りの状況や自治体の情報に注意し、より安全な場所に移動することが重要です。

気象庁ホームページでは、雨量をもとに解析した「洪水の危険度分布」を確認することができます。

「キキクル」で検索できます。

危険が迫る前に確認を

ハザードマップや避難に関する情報はNHKのホームページ「あなたの天気・防災」や「NHKニュース・防災アプリ」でも確認することができます。

川の水位などはウェブサイト「川の防災情報」でも確認することができます。

あらかじめ自分の住まいのリスクを把握することが早めの避難につながります。

危険が迫る前に一度、確認してみてください。

▽「国交省のハザードマップポータルサイト」
https://disaportal.gsi.go.jp/

▽NHK「あなたの天気・防災」
https://www.nhk.or.jp/kishou-saigai/hazardmap/

▽「気象庁ホームページ」
https://www.jma.go.jp