菅首相 「酸素ステーション」「抗体カクテル療法」拠点整備へ

新型コロナウイルス対策をめぐり菅総理大臣は、患者への酸素投与が必要となった場合に利用できる「酸素ステーション」や、いわゆる「抗体カクテル療法」として新たに承認された治療薬の投与を集中的に行える拠点を、近く整備する考えを示しました。また、10月初旬までに、国民全員の8割にワクチンを2回接種できる体制を構築していると強調しました。

菅総理大臣は、13日夜、総理大臣官邸で記者団に対し、新型コロナウイルスの新規感染者数が各地で過去最多となり、重症者も増えている現状について「東京の医療体制は極めて厳しい状況にあると思っている。そうした中で、国民の命を守るのが、政府の最大の責務だ」と述べました。

そのうえで「自宅にいる患者には必ず連絡がとれるように、自治体と連携するとともに、例えば、酸素の投与が必要になった場合『酸素ステーション』を設置して対処する体制を、これから速やかに構築するように、関係大臣に指示した」と述べました。

また、いわゆる「抗体カクテル療法」として新たに承認された治療薬について「集中的に使用できる拠点を作って、体制を近いうちに整備する」と述べました。

さらに、菅総理大臣は「世界で『ロックダウン』をして、外出に罰金をかけても、なかなか守ることができなかったので、やはりワクチンだ。人流の抑制と同時に、しっかり全力で接種に取り組んでいく。国民の皆さんに大変不満があろうかと思うが、10月初旬までには、ワクチンを国民全員の8割に2回打てるような体制も作っている」と強調しました。

一方、菅総理大臣は、政府の分科会の緊急提言を受け、関係団体などと緊密に連携して、商業施設などでの人流の抑制に全力で取り組んでいくと強調するとともに、国民に対し、帰省や旅行、不要不急の外出をできるだけ控えるよう、重ねて呼びかけました。