大阪の宿泊療養者数 第4波ピーク超え最多に 施設運用率60%超

新型コロナウイルスの感染が急拡大し、大阪の宿泊療養者数は12日時点で2520人と第4波のピークを超えて過去最多になりました。宿泊療養施設の運用率は60%を超えているほか、比較的若い世代が療養中に容体が急変するケースが増えていて、対応にあたる現場は懸念を強めています。

大阪府内では12日の時点で4148部屋の宿泊療養施設を確保していますが、過去最多の2520人が利用していて、運用率は60.8%となっています。

このうち大阪市内のホテルでは、看護師や府の職員など合わせて10人ほどの態勢で、150人を超える療養者の体調管理や生活支援にあたっています。

看護師の1人、山崎奈々さんは、ことし1月から宿泊療養の現場での対応にあたっていますが、感染力の強いデルタ株による感染が急速に拡大する中、先月以降若い世代の療養者が増えているうえ、40度近くの高熱が続くなど症状が長引くケースが目立つと指摘しています。

さらに、第4波では容体が悪化して救急搬送されるのは高齢者が中心でしたが、第5波では年齢層が下がり、40代や50代など比較的若い世代の人がこの施設からだけでも連日2、3人搬送されているということです。

山崎さんは「酸素の値が下がるなどすると医師に診察してもらい入院につなげています。重症化しないよう早めに病院に連れていけるような環境作りを心がけたい」と話していました。

大阪府は宿泊療養者が今後も増える見込みだとして、来週には宿泊療養施設の部屋数をおよそ1350増やし5500室に拡大するとしていますが、今後、病床がひっ迫し入院できない事態が起きてしまうおそれがあると、現場は懸念を強めています。
山崎さんは「必要なときに入院ができない状況にならないか不安です。患者の手を触ってあげることなどはできませんが、電話口でお話を聞くなど、不安を和らげられる存在でいたいです」と話していました。