広島や九州で記録的な大雨 川の氾濫や土砂災害に厳重に警戒を

活発な前線の影響で、広島県や九州などでは記録的な大雨となり、広島県では1級河川の江の川が氾濫するなど、引き続き川の氾濫や土砂災害に厳重に警戒が必要です。西日本から東日本の各地では、このあと1週間程度は断続的に雨が降る見通しで、いったん雨が弱まっても決して油断せず、災害が起きる前の避難を心がけてください。

気象庁によりますと、日本付近に停滞する前線の影響で九州など西日本を中心に発達した雨雲が断続的にかかっています。

広島県内では13日朝早くから非常に激しい雨が降り続き、線状降水帯が発生して一時、広島市に大雨の特別警報が発表されました。

特別警報は午後1時に警報に切り替えられましたが、広島県内では安芸高田市甲田で午前9時40分までの3時間に125.5ミリの雨を観測するなど、観測史上最も多い記録的な大雨になっています。

この時間は九州北部で再び雨が強まり、近畿や東海にも発達した雨雲が流れ込んでいて、午後4時までの1時間には
▽岐阜県揖斐川町で49.5ミリ、
▽佐賀市で41ミリ、
▽長崎県松浦市で32ミリの激しい雨が降りました。

この数日、雨が降り続いている九州北部では雨量が非常に多く、午後4時までの72時間に降った雨の量は長崎県の
▽雲仙岳で796ミリ
▽島原市で580ミリ、
▽南島原市で534ミリ、
▽熊本県天草市本渡で543ミリなどと、いずれも観測史上最も多くなっています。

この3日間に降った雨の量は多いところで平年の8月1か月分の3倍近くに達する記録的な大雨となっています。

これまでの雨で土砂災害の危険性が非常に高まり福岡県、長崎県、佐賀県、大分県、熊本県、鹿児島県、広島県、富山県、石川県、新潟県では「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があります。

また、広島県では1級河川の江の川が上流にあたる三次市で氾濫したほか、複数の川でも氾濫が発生しました。

このほか佐賀県と福岡県、それに島根県と広島県では氾濫の危険性が非常に高い「氾濫危険水位」を超えている川があります。

今後の予想は

今後の見通しです。

西日本や東日本では14日にかけて、雷を伴って非常に激しい雨が降り、東北でも激しい雨が降って大雨となるおそれがあります。

今後、総雨量がさらに増えるおそれがあり、気象庁は土砂災害や川の氾濫、低い土地の浸水に厳重に警戒するよう呼びかけています。

災害が起きる前に安全確保を

西日本を中心に、どこで災害が起きてもおかしくない状況となっています。

災害が発生する前の安全確保を心がけて下さい。

周辺の状況が悪化するなど避難所への移動が難しい場合は、建物の2階以上で崖や斜面と反対側の部屋に移るなど、少しでも身を守る行動を取ってください。

前線はこのあとも1週間程度本州付近に停滞する見込みで、西日本から北日本にかけての広い範囲で総雨量が増え、各地で大雨になる見込みです。

あらかじめ自分が住む場所の危険性をハザードマップなどで確認するとともに、ふだんより細かく雨雲の状況や土砂災害の危険度などを調べて、危険が迫る前に安全な場所に移動するようにしてください。

気象庁「警戒を緩めないで」

気象庁は広島市に出していた大雨の特別警報を警報に切り替えたことについて、これまでに降った雨で河川の氾濫や土砂災害の危険度が非常に高い状態が続いているとして、警戒を緩めないよう呼びかけました。

気象庁予報課の岸本賢司主任予報官は「午後から雨は弱まっている状況で、広島市の特別警報を警報に切り替えたが、広島県内では土砂災害の危険度が高い場所がまだ残っている。さらに、これまでに降った雨の影響で、川の氾濫の危険度も非常に高い状態が続いていて、警戒を緩めないでほしい」と述べました。

また「広島県以外の西日本から東日本の広い範囲で今後も急激に雨が強まり、災害が発生するおそれがある。いつ、どこで災害が起きてもおかしくない状況で、自分のいる地域の気象情報をこまめに確認し、早めの備えを進めてほしい」と話していました。

安芸高田の病院 浸水で外来と救急停止

広島県安芸高田市にある吉田総合病院によりますと、13日午前、大雨の影響で病院内が浸水し、一時、病院の一階のロビーが、くるぶしまで水につかったということです。

病院の職員が撮影した写真では、フロア一面に茶色い水がつかっている様子が確認できます。

病院によりますと、患者や職員にけが人はいないということです。

現在、病院内にたまった水や土砂を取り除くなど、片付けをしているいうことですが、浸水の影響でエレベーターが使えなくなるなどの被害が出ていて、病院は、外来と救急の受け入れを停止せざるをえなくなり、再開のめどはたっていないということです。

吉田総合病院の森友俊文事務局長は「水が入ってきたときに土のうを置いたが、間に合わない勢いで病院内に入ってきた。このような状況になったのは初めてだ。想定外の被害で、今回のことを踏まえて、今後の対策を考えないといけないと考えている」と話していました。

全国知事会 飯泉会長「全面的にバックアップ」

今回の大雨を受けて全国知事会は13日午後、緊急広域災害対策本部の会合をオンラインで開きました。

この中で全国知事会の飯泉会長は「今後も継続的な豪雨が危惧されるためそれぞれの立場でしっかりと情報収集をお願いしたい。救援要請があれば全国知事会が全面的にバックアップする」と述べました。

そして、対策本部では、今後、被災地域からの要請があれば、速やかに、応援職員の派遣や物資の支援などを行うことを確認しました。