香港市民 1年間に9万人超が海外移住 締めつけ強化の中で

去年1年間に海外に移住した香港の市民は9万人を超え、反政府的な動きを取り締まる香港国家安全維持法の施行で締めつけが強化される中、市民が香港を離れる動きが加速しています。

香港政府によりますと、去年1月から12月までの1年間に香港から海外に移住した人はおよそ9万6000人と、1997年に香港が中国に返還されて以降、最も多くなりました。

また、去年7月からことし6月までの1年間の推定値でも海外への移住者はおよそ8万9000人にのぼっていて、海外に移住する市民の数は高い水準が続いていることが浮き彫りとなっています。

これについて香港政府は「香港は国際都市であり、もともと仕事や留学のために海外に出る人が多く人口の流動性が常に高い」と説明していますが、地元メディアは子どもの教育などを考慮し、定住を目指してイギリスなどに家族で移り住む傾向が強まっていると伝えています。

香港では反政府的な動きを取り締まる香港国家安全維持法が去年6月に施行されたあと、民主派の政治家らの逮捕が相次いだほか、中国に批判的な論調で知られた新聞が発行停止に追い込まれるなど政治活動や言論への統制が強まっていて、海外移住が加速している背景にはこうした急激な社会の変化があるとみられます。