都内の重症者用病床 今月下旬に満床も 京大グループ試算公表

東京都の新型コロナウイルスの今後の感染状況について、京都大学の西浦博教授のグループは、このままの感染状況が続けば、東京都内の重症者用の病床は今月下旬には満床になるとする試算結果を公表しました。

これは西浦教授が11日、厚生労働省の専門家会合で示したものです。

グループはデルタ株の感染力の強さなどを考慮して、1人が何人に感染を広げるかを示す実効再生産数のベースラインを「1.7」と想定し、今後の感染者数や重症者数がどう推移するかをシミュレーションしました。

それによりますと、緊急事態宣言などの効果によって実効再生産数が10%しか下がらず「1.5」だった場合は、新規感染者数の数は増え続け、今月末には1日3万人を超えるという試算になりました。

また、30%下がって「1.2」となった場合でも、来月5日には1万人に達する計算となりました。

50%下がって「0.85」とした場合は新規感染者数は減少に転じました。

さらに同じ想定で重症患者の数を試算したところ、実効再生産数が10%減少の場合は今月23日には399人で、東京都が確保している重症者用病床の392床を超える計算となり、30%減少の場合も来月4日に395人という結果になりました。

50%減少の場合は今月下旬のおよそ190人をピークに減少に向かう計算となりました。

NHKの取材に対し西浦教授は「実効再生産数を大幅に減らすために繁華街の人出を制限するだけでなく、リモートワークなど実効性のある対策を徹底する必要がある」と話しています。