東京 夜間の人出 前回の緊急事態宣言時の水準まで減らず

新型コロナウイルスの急速な感染拡大が続く中、11日開かれた厚生労働省の専門家会合では、全国の人出のデータが示され、東京都では夜間の人出は減っているものの、前回の緊急事態宣言の水準までは減っていないことが分かりました。

このデータは東京都医学総合研究所社会健康医学研究センターが、11日の厚生労働省の専門家会合で示しました。

各自治体の主要な繁華街を対象に個人を特定しない形で得られた携帯電話の位置情報から、職場や自宅以外で15分以上滞在していた人の数を「滞留人口」として500メートルメッシュで時間ごとに分析しています。

今回、分析の対象となったのはいずれも今月8日までのデータです。

東京 午後10時~前週より増加

緊急事態宣言が出されている東京都では、新宿や渋谷、六本木など7か所の繁華街のデータをもとに分析しています。

新規感染者数が急増する中で、夜間の滞留人口は前の週から4.5%の減少しましたが、前回、4月に出された緊急事態宣言の際の最低水準には届いていないということです。

昼間の滞留人口も前の週から2.5%の減少にとどまっていて、昼間から夕方すべての時間帯で減少が続いているものの、依然として小幅な減少にとどまっているということです。

一方、リスクが高いとされる午後10時から深夜0時までの時間帯では、滞留人口は前の週から3.2%増えていました。

また、夜間の滞留人口を年代別に分析したところ、午後6時から午後10時までの時間帯で、40歳から64歳までの年齢層が最も多くなりました。

また、15歳から39歳までの若い世代は、時間が遅くなるほど割合が増え、午後10時から深夜0時までの時間帯では40歳から64歳までの年齢層と同じ水準となっていました。
一方で65歳以上の高齢者はおよそ10%にとどまっていました。

沖縄 夜間は去年春の最低値下回る

沖縄県では、先月の4連休明けに夜間の滞留人口が一時増加しましたが、再び減少に転じ、去年春の緊急事態宣言の際の最低値を下回っています。昼間の滞留人口も緩やかに減少しています。

神奈川 夜間・昼間とも横ばいで推移

神奈川県では、先月22日以降、県独自の緊急事態宣言で酒類の提供を一律停止するよう要請し、夜間の滞留人口が減少していました。今月2日に緊急事態宣言が出されて以降は、夜間・昼間ともに滞留人口が減少せず、横ばいで推移しています。

千葉 夜間は減少 昼間 高い水準で推移

千葉県では、緊急事態宣言が出されて以降、それまで横ばいだった夜間の滞留人口は減少に転じています。昼間の滞留人口は緩やかに減少しているものの、依然として高い水準で、推移しています。

埼玉 夜間最低水準も昼間は横ばい

埼玉県では、今月2日に緊急事態宣言が出されたあと、夜間の滞留人口がさらに減少し、ことし1月に出された宣言期間中の最低水準にほぼ達しました。昼間の滞留人口は宣言が出されたあとも、横ばいで推移しています。

大阪 午後10時~深夜0時の減少は限定的

大阪府では、夜間の滞留人口が宣言が出されたあとに減少に転じています。ただ、感染リスクが高いとされる午後10時から深夜0時までの時間帯の滞留人口の減少は限定的で、流行の第4波に入っていた4月初旬ごろと同じ程度の高い水準だということです。また、昼間の滞留人口は宣言が出たあとの直近1週間で減少しています。