2回接種済の高齢者致死率 未接種の人の約5分の1に 厚労省調査

新型コロナウイルスに感染した65歳以上の高齢者で、ワクチンを2回接種した人の致死率は接種を受けていない人のおよそ5分の1だったことが厚生労働省の調査で分かりました。専門家はまだデータは少ないものの、接種によって死亡を抑える効果があるとしています。

厚生労働省は、感染者の情報を集約するシステム「HER-SYS」のデータを基にことし6月の1か月間に登録された5万2743人の感染者のうち、死亡した人の割合を年代別に分析しました。

この中で、
▽65歳以上では感染した6931人中、亡くなったのは282人で、致死率は4.1%でしたが、
▽65歳未満では感染した4万5812人中、亡くなったのは35人で、致死率は0.08%でした。

65歳以上で亡くなった人は、
▽ワクチン接種を受けていない人では、感染した5387人中、232人で致死率は4.31%だったのに対し、
▽1回接種を受けた人では857人中26人で3.03%、
▽2回の接種を終えた人では112人中1人で0.89%と、致死率は接種を受けていない人のおよそ5分の1でした。

この結果は11日開かれた厚生労働省の専門家会合で示され、脇田隆字座長は「ワクチン接種によって重症化を予防し、死亡を抑える効果が見てとれる。ただ、データがまだ少ないので症例を積み重ねて、効果をさらに判断する必要がある」と話しています。