東京パラリンピック24日開幕 全国で聖火の“採火”始まる

今月24日に開幕する東京パラリンピックでともされる聖火。
12日から全国880か所で地域の特色を生かし炎を採取する“採火”が始まりました。

岩手 大槌町 復興願う「希望の灯り」から

岩手県大槌町では、東日本大震災からの復興を願ってともされている「希望の灯り」から聖火の火が採火されました。
大槌町の城山公園では、阪神・淡路大震災で被災した神戸市から追悼と復興を願って分けられた「大槌希望の灯り」の前で採火式が行われ生まれたときから右半身にまひがある地元のアスリート、黒澤達己さん(61)がトーチをかざして火を採りました。
黒澤さんは、震災で自宅が全壊するなど被災しましたが、練習を続け、3年前の全国障害者スポーツ大会で砲丸投げなどの競技で4位となりました。黒澤さんは、「震災から10年5か月たち、大槌町の復興を願ってともされた希望の灯りが聖火となることで、選手たちが頑張る力になってほしい」と話していました。

山形 立石寺「不滅の法灯」から

山形県では「山寺」の通称で知られる山形市の立石寺で採火されました。立石寺では、およそ1200年燃え続けているとされる「不滅の法灯」から採火され、清原正田住職が法灯から採った火をランタンに移すと、集まった人たちが拍手を贈っていました。清原住職は「世の中を照らす希望の明かりだといわれているこの火が使われることは大変うれしいことで、パラリンピックが大成功することを祈念したい」と話していました。

長野 上田 伝統的な「まいぎり式」

長野県上田市では、市内出身で2014年に開かれたソチパラリンピックのアルペンスキーに出場した山崎福太郎さんらが参加し、無観客で採火式が行われました。式では、伝統的な「まいぎり式」と呼ばれるひもがついた木の棒を回転させて下に敷いた板との摩擦で種火を起こす方法などで火が採られました。山崎さんは「慣れない方法だったので緊張しました。無事に火を起こせてほっとしています。パラリンピックでの選手の皆さんの活躍を期待しています」と話していました。

大阪 泉佐野 1000の護摩木の炎から

大阪では泉佐野市の寺で泉佐野市の犬鳴山七宝瀧寺で採火式が行われ、寺の修験者たちおよそ20人が儀式を執り行いました。「パラリンピックで平和を」や「さいごまでがんばれ」などと選手への応援や共生社会への願いを市民が記したおよそ1000の護摩木が用意され、火がたかれた護摩壇に投入されていきました。炎とともに高い煙が上がり修験者や関係者はパラリンピックが安全に行われることを祈願していました。そして、式の最後に火がランタンに移し替えられました。

鹿児島 火打ち石で種火をおこして

鹿児島県では鉄砲伝来の地として知られる種子島の火縄銃保存会が火打ち石を使って火をおこしました。火縄銃保存会のメンバーが火打ち石をたたいて種火をおこし、息をふきかけて火をともしました。そして、塩田知事がおこした火をランタンに移し入れていました。このあと、保存会のメンバーが模擬の弾丸を込めた火縄銃を実際に撃つ砲術を披露し、大会の成功を祈っていました。種子島火縄銃保存会の福井清信会長は「鹿児島県の代表として火縄銃を選んでもらったことに感謝するとともに、火がついてほっとしています。パラリンピックの成功を祈りたいと思います」と話していました。

沖縄 名護 1964年東京五輪の聖火台から

名護市での採火式は1964年の東京オリンピックの聖火リレーで、夜間も火をともし続けるため使われた「聖火台」が残る嘉陽地区で行われました。
市や地元の関係者、およそ20人が参加し、当時、聖火ランナーを務めた地元の仲村民博さん(74)が、聖火台からトーチで火を採取し、ランタンにともしました。採火した仲村さんは、「57年前の東京オリンピックに聖火ランナーとして携わり、今回のパラリンピックにも参加できて喜んでいます。コロナで厳しい状況ではありますが、パラリンピックの成功を願い、聖火が東京まで届くよう頑張ってほしいです」と話していました。

【パラリンピック 聖火リレーの流れ】

8/12~16:43道府県で「採火」「出立」
8/17~20:競技を開催する4都県(埼玉・千葉・東京・静岡)で採火、リレー(埼玉・千葉・東京のリレーは中止に)
8/20:東京の迎賓館赤坂離宮で「集火式」。パラリンピック発祥のイギリス、ストークマンデビルで採火された炎と一つに。
8/21~24:都内で点火セレモニー
8/24:東京パラリンピック開会式 聖火台に点火
今月17日からは競技が実施される4つの都県で聖火リレーが行われる予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、千葉、埼玉、東京では公道でのリレーの中止が決まり、点火セレモニーなどが行われることになりました。
一方、静岡県ではまん延防止等重点措置が適用されていない御前崎市と菊川市のおよそ4キロの区間だけ公道でリレーを行う方針です。
そして、東京に到着した聖火は、20日の夜にはパラリンピック発祥のイギリスで採られた火と全国の火を集める集火式を経て、24日の開会式で聖火台にともされる予定です。

コンセプト「Share Your Light」

パラリンピックの聖火リレーは、「パラリンピック聖火はみんなのものであり、パラリンピックを応援する全ての人の熱意が集まることで聖火を生み出す」というIPC=国際パラリンピック委員会の理念に基づいて開催されます。

東京パラリンピックの聖火はパラリンピックが掲げる共生社会への思いを込めた火です。コンセプトは「Share Your Light / あなたは、きっと、誰かの光だ。」。この大会を契機に共生社会を実現し、人と人、人と社会との、「新しいパートナーシップ」を考えるきっかけとなることを目指しています。