青森 八戸港 貨物船座礁 船体折れ一部が漂流 沈没のおそれも

11日に青森県の八戸港でパナマ船籍の貨物船が座礁した事故で、12日朝、船体が折れて2つに割れ、一部が漂流しました。天候などによっては沈没のおそれもあり、油も流出していて、海上保安庁が港を出入りする船の航行に支障が出ないよう警戒を続けています。

11日に青森県八戸市の八戸港で、パナマ船籍の貨物船「CRIMSON POLARIS」が座礁し、その後、船体は海底から離れましたが、甲板付近に亀裂が入ったため、海上保安庁が中国人とフィリピン人、合わせて21人の乗組員、全員を救助しました。

海上保安庁は、貨物船が流されて港の航路をふさぐことがないよう警戒していましたが、12日朝になって、亀裂が広がって船体が折れて2つに割れ、一部が漂流しました。

海上保安庁によりますと、前方部分はいかりで固定され安定していますが、後方部分は、いかりが降ろされていないため、天候などによっては、さらに漂流する可能性もあるということです。

現在は水深の浅い海域で、船体の一部が海底についている可能性があり、大きく傾くことはないとみられますが、水深の深い海域に流されると、沈没するおそれもあるということです。

また、船体からは油が流出し、周辺のおよそ5キロにわたって広がっているのも確認されたということです。

海上保安庁は、漂流した船体がほかの船に衝突するなどして航行に支障が出ないよう警戒を続けています。
青森県の八戸港でパナマ船籍の貨物船が座礁し、油が流出していることを受けて、政府は、総理大臣官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置し、情報の収集などにあたっています。

漁業者「早く油を取り除いてもらいたい」

八戸港で貨物船が座礁し油が流出していることについて、八戸市の60代の漁業者の男性は「イカやサバなど海の上に浮いてくる魚には特に大きな影響があると思う。9月からイカ漁が本格的に始まるので、早く油を取り除いてもらいたい」と話していました。

また、八戸市の20代の漁業者の男性は「海の生態系に影響を及ぼすおそれもあるので、できるだけ早く油を取り除いてもらいたい」と話していました。

海上保安部 漁業者などに油の処理方法説明

この事故で、海上保安部は12日、地元の自治体や漁業者に流出した油の処理方法などを説明しました。

八戸海上保安部が開いた説明会には、八戸市や周辺自治体の担当者のほか、漁協の関係者などおよそ70人が参加しました。

はじめに海上保安部の担当者が、12日午前4時すぎに貨物船の船体が折れて燃料の油が流出したことや、油が広がらないよう、巡視船が対応にあたっていることなどを説明しました。

このあと、非公開で説明が行われ、参加者によりますと、海上保安部からは、油の処理剤を使って処理を進めていく方針などが示されたということです。

説明会に参加した八戸みなと漁業協同組合の組合長は「以前も船の油が流出してホッキ貝に深刻な影響が出たことがあったので、地元の漁業に影響が出ないよう対応してもらいたい」と話していました。

また、三沢市漁業協同組合の70代の男性は「風向きによっては三沢のほうにも影響が出る可能性があり、実際に油のにおいがこちらまで来ている。各漁協と連絡を取りながら対策を検討していきたい」と話していました。