尾身会長「感染力高まり あまり報告なかった場所でも感染」

政府の分科会の尾身茂会長は10日夜、動画配信サイト「ニコニコ生放送」に出演し、感染力の強い変異ウイルス「デルタ株」が主流になり、感染がこれまで広がっていなかった場所でも報告されているとして、基本的な対策を徹底する必要があるという認識を示しました。

この中で、尾身会長はデルタ株について「確かに感染力は強くなっているが、道ですれ違っただけで感染するようないわゆる『空気感染』は起きておらず、感染リスクの高い場所はこれまでと変わらず、換気が悪いとか多くの人が集まるような場所だ。ただ、感染力が高まったためデパートの地下の売り場や、髪を切る場面、学習塾などいままであまり感染が報告されなかった場面でも感染が実際に起きるようになってきている。これまで個人で行ってきたマスク着用、換気、3密の回避などの対策を今まで以上に気をつけてやってもらう必要がある」と指摘しました。

また、尾身会長はワクチン接種を終えたあと2週間以上して感染が確認される「ブレイクスルー感染」が国内外で報告されていることについて、「間違いなく明らかなことは、ワクチン接種によって重症化や死亡を防ぐという効果がかなりあるということだ。それに比べると発症や感染を予防する効果は多少落ちてしまうということはある。ワクチンを打った人も、自分や他の人を守るという意味でもしばらくの間はマスクをしていただきたい」と呼びかけました。