フランス ワクチン接種証明の提示義務化始まる 市民から反発も

変異ウイルスの「デルタ株」の感染拡大を受けてフランスでは、飲食店などを利用する際に新型コロナウイルスのワクチン接種の証明や陰性証明などの提示の義務化が始まりました。
義務化をめぐっては国論を2分する論争になっていて、市民の間からは反発の声も聞かれました。

フランス政府は9日、飲食店のほか飛行機や高速鉄道などの利用者に、ワクチン接種の証明や検査による陰性証明などの提示の義務化を始めました。

健康上の理由で接種を受けられない場合は、医師が発行する証明で代用できるということです。

首都パリの飲食店では、早速、利用者たちがスマートフォン上で接種を受けたことを証明するQRコードを店員に示し、店内に入っていました。

利用者の27歳の女性は「新型コロナによる厳しい状況から抜け出すためには不可欠な措置です」と話していたほか、飲食店の店長の男性は「一人一人をチェックするのは簡単ではありませんが、従業員の安全を守ることにもつながります」と話していました。

義務化をめぐっては、選択の自由を奪うなど反発の声も相次ぎ、国論を2分する論争になっていて、義務化に反対している21歳の女性は「義務化はフランスが重きを置いてきた自由を崩壊させるものです。事実上接種を強要するもので、異常なことです」と話していました。