夏の全国高校野球 きょう開幕 感染対策を徹底

2年ぶりの開催となる夏の全国高校野球は、台風の影響で日程が1日順延され、10日、甲子園球場で開幕します。
新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、チーム関係者に最大3回のPCR検査を行うなど徹底した感染対策がとられます。

夏の全国高校野球は、去年、新型コロナウイルスの影響で中止となったため2年ぶりの開催で、地方大会を勝ち抜いた49の代表校が出場します。

初出場は5校で、このうち宮城の東北学院、茨城の鹿島学園、佐賀の東明館高校の3校は春夏通じて初めての甲子園となります。

感染が急拡大する中、大会では徹底した感染対策がとられ、選手や監督などチーム関係者に対して大会前と大会中に最大3回のPCR検査を行うことになっています。

さらに、一般の観客へのチケット販売は行わず、甲子園球場への入場は、学校関係者のみに制限しました。

人数は、学校が管理できる範囲として1校当たり2000人程度と見込まれています。

一方、センバツ大会で禁止された吹奏楽の応援は50人を上限に認められましたが、事前に収録した音源を使って応援する学校もある見通しです。

大会は熱中症対策の観点から1日増えて3日となった休養日も含めて17日間の日程で行われ、決勝は今月26日に予定されています。

初出場5校のうち3校は春夏通じ初めて 春夏出場は13校

2年ぶりに開催される夏の全国高校野球には、地方大会を勝ち上がってきた49の代表校が出場し、このうち5校が初出場となりました。

初出場は、宮城の東北学院、茨城の鹿島学園、京都国際高校、愛媛の新田高校、佐賀の東明館高校の5校で、このうち、東北学院、鹿島学園、東明館の3校は春夏通じて初めての甲子園です。

一方、南北海道の北海高校は39回目の出場で、最多出場回数の記録を更新しました。

最も間隔があいた代表校は北北海道の帯広農業で39年ぶりです。

帯広農業は去年21世紀枠でセンバツ出場が決まり、夏の交流試合に出場しました。

これに続くのがキャプテンが選手宣誓を務めることになった石川の小松大谷高校で36年ぶりの出場です。

平成26年の石川大会の決勝で8対0とリードして迎えた9回に9点を奪われて逆転負けして甲子園出場を逃した苦い経験があります。

また、ことしのセンバツに続いての春夏出場は合わせて13校です。

優勝した神奈川の東海大相模高校は部員17人が新型コロナウイルスに感染して、地方大会を途中で辞退しましたが、準優勝した大分の明豊高校は出場します。

このほか、ベスト8からも西東京の東海大菅生高校と奈良の智弁学園が出場します。

地方大会の成績で見ると、チーム打率が高かったのは三重高校の5割1分、神奈川の横浜高校の4割6分9厘、鳥取の米子東高校の4割3分4厘です。

ホームランは、三重が15本と最も多く、青森の弘前学院聖愛高校、岩手の盛岡大付属高校、兵庫の神戸国際大付属高校が7本で続いています。

失点は、静岡高校が6試合で1失点と最も少なく、島根の石見智翠館高校が5試合で2失点、徳島の阿南光高校が4試合で3失点などとなっています。

また、盛岡大付属、静岡、長崎商業は地方大会でエラーがありませんでした。

選手では、地方大会で157キロをマークした秋田の明桜高校の風間球打投手や最速150キロ左腕の北海の木村大成投手。

打者で高校通算ホームラン35本の奈良の智弁学園の前川右京選手などに注目が集まります。

チーム関係者は最大3回のPCR検査

夏の全国高校野球でとられる新型コロナウイルスの感染対策です。

49の代表校の選手や監督などチーム関係者は大会前に加えて、勝ち上がった場合は初戦と準々決勝の後に最大3回のPCR検査を受けることになっています。

大会前の検査では栃木の作新学院の部員2人の陽性が確認されました。

高野連=日本高校野球連盟などは参加の可否については個別感染か、集団感染かを重要視していて、作新学院のケースは、集団感染にあたらないとして、大会参加に向けて検査や健康観察を慎重に続けています。

また、一般の観客へのチケット販売は行わず、甲子園球場への入場は、学校関係者と主催者が許可した関係者に制限しました。

学校関係者は一塁側と三塁側の内野席に入り、人数は学校が管理できる範囲として1校当たり2000人程度と見込まれています。

一方、ことし春のセンバツ大会では禁止された吹奏楽の応援は認められ、学校関係者とは別に1校あたり50人を上限にアルプススタンドに入って演奏します。

ただ、事前に収録した音源を使って応援する学校もあるということです。

このほか、去年夏の交流試合やことし春のセンバツに続いて選手たちには、ベンチでマスクを着用することやマウンドに集まる場合はグラブを口に当てることなどを求めているほか、学校関係者には、大声での応援やハイタッチを控えることや感染者が出た場合、近くに座っていた人を確認できるように入場券を最低でも14日間保存するなど、学校としてしっかり備えることを求めています。