オリンピック【詳細】ゴルフ女子 稲見萌寧が銀メダル

東京オリンピックゴルフ女子の最終ラウンドは、稲見萌寧選手がニュージーランドの選手とのプレーオフを制して銀メダルを獲得しました。日本の選手のメダル獲得は男女を通じて初めてです。

埼玉県川越市で行われたゴルフ女子は、7日が最終ラウンドで、通算10アンダーの3位から出た稲見選手は1番をバーディー発進としましたが、直後の2番をボギーとするなど前半は出入りの激しいゴルフでスコアを2つ伸ばして折り返しました。

後半は、持ち前のショットの精度で12番からの4連続バーディーを奪い、首位に立っていたアメリカのネリー・コルダ選手を追い上げました。

雷雲の接近によるおよそ50分の中断を挟んだ17番パー4でもバーディーを奪って、このホールが終わった時点で通算17アンダーとして、コルダ選手に並んで首位に立ちました。

しかし、18番の第2打をバンカーに入れてパーパットも決めきれず、スコアを1つ落とし、このホールをパーとしたネリー・コルダ選手が金メダルを獲得しました。

稲見選手は通算16アンダーで2位に並んだ前回大会の銀メダリストでニュージーランドのリディア・コ選手とのプレーオフに臨み、1ホール目をパーとした稲見選手がパーパットを決められなかった相手に競り勝って銀メダルを獲得しました。

前回大会で112年ぶりにオリンピック競技に復活したゴルフで、日本選手がメダルを獲得したのは初めてです。

通算8アンダーの7位から出た畑岡奈紗選手は、我慢のゴルフが続き、最終ラウンドはバーディー3つ、ボギー1つで9位でした。

日本とフィリピンの国籍を持ちフィリピン代表として出場した笹生優花選手は最終ラウンドでスコアを6つ伸ばし、畑岡選手などと並んで9位まで順位を上げました。

金メダルはアメリカのネリー・コルダ選手、銅メダルはニュージーランドのリディア・コ選手でした。

稲見「メダルを獲得できたのは人生で一番うれしい」

プレーオフを制して銀メダルを獲得した稲見選手はオリンピックのゴルフで日本選手の男女を通じて初めてのメダル獲得となりました。これについて、「日の丸を背負ってメダルを獲得できたのは人生で一番うれしいことです。重大な任務を果たした気がします」と話していました。
また、プレーオフについては「集中して勝ちに行こうと話していた。相手がパーパットを決めて、プレーオフが続くと思っていたので、銀メダルが決まった時は驚きました」と振り返りました。
そのうえで「オリンピックは夢の舞台で、出場できたことが自分にとって奇跡でしたが、いい夢の舞台で終わらせることができてよかった」と晴れやかな表情を見せていました。

<稲見選手の話>
メダルを獲得してー
「一番の感想はメダルがすごく重くてびっくりしました。自分が成し遂げたことはこれだけ重たいことだったんだなと思う」
「今週の目標はテレビで見ている子どもたちに『ゴルフって楽しい、始めてみたい』と思ってもらえるようなプレーを見せることだったので、それができたと思う」

アメリカツアーに挑戦する考えはないかー
「日本で永久シードをとることが一番の目標なので現状はそう考えていないが可能であれば海外メジャーには出場してみたい」
「来週からまた国内ツアーに参戦する予定なので、もし有観客での開催であれば現地で応援してほしい」

9位の畑岡「ピークうまくもってくることできず悔しい結果に」

畑岡選手は「金メダルを目指して、5年やってきたので、悔しい気持ちが大きいです。最低でもスコアを7つ伸ばさないと表彰台のチャンスはないと思っていた。パッティングも攻め切れた部分も多いが、決まってくれなかった」と振り返りました。
そして、プロになる前からの夢だったオリンピックについて「国を代表してプレーしているのでもっといいプレーをしたかったが、独特の雰囲気がすごいあると感じた」と話していました。
そのうえで「今回はピークをうまくもってくることができず悔しい結果になったが、素晴らしい経験になった。メジャー優勝を目指して頑張っていきたい」と前を向いていました。

<畑岡選手の話>
最終ラウンドを振り返ってー
「スコアを伸ばさないとチャンスはないとわかっていたが、1つバーディを決めるまでが遠かった」
「メダルをとれなかったのは残念だったが、東京オリンピックという存在は自分にとってプロになる前からの目標で、オリンピックが東京に決まっていなかったらアメリカツアーに挑戦していなかったかもしれないほどだ。いざこの舞台に来てみるとものすごく緊張感はあったがこの経験ができてよかった」

今後についてー
「プロになるときの夢として3つ考えていて、1つ目の2年以内にアメリカで勝つことは達成したが、2つ目の東京オリンピックの金メダル獲得は達成できなかった。3つ目の夢である海外メジャー大会での優勝は絶対達成できるように頑張っていきたい」

笹生「今後も自分のベストを出して頑張っていく」

9位の笹生選手は「きょうはパターがよく入ってくれ、上位にあがることができてよかった」と話しました。
そして、今大会を振り返り「すごく楽しい1週間で、いろいろ勉強になり、本当にいい経験になった。今後もいつもどおり、自分のベストを出して、頑張っていきたい」と笑顔を見せていました。

<笹生選手の話>
大会を振り返ってー
「最後の3日間が初日よりもいいゴルフができて本当によかった」
「予選がなかったくらいで特に変わった雰囲気はなく、いつもどおりゴルフができるようにした」
無観客での開催についてー
「ギャラリーのみなさんが入って来れないので応援という実感はないがインターネットでもすごく声が届いていて感謝している」
3年後のパリ大会に向けてー
「まだ3年もあるので次の試合や目の前にあるものに集中したい」

「あしたからしっかり練習します」

稲見選手は7日夜、競技会場のある埼玉県から都内に戻って記者会見し、この中で「夢の舞台のオリンピックに立たせてもらい銀メダルを取らせてもらってめちゃくちゃうれしい」と心境を語りました。

そのうえで「世界で戦う経験が少ないので、どういう状況にいるのかわかっていないけど、プレーオフを戦ったリディア・コ選手も、金メダルを獲得したネリー・コルダ選手もすごい人たちでその間に挟まれて私が立っていることはすごい光栄なことだと少しずつ実感してきた」と世界のトップ選手と競って獲得したメダルの重みを感じている様子でした。

また今回のオリンピックを振り返り「ドライバーの飛距離をもっとあげないといけないという課題を見つけられた。あしたからしっかり練習します」と早くも次の目標に向かっていました。

稲見萌寧とは 「はざま世代」の「練習の虫」

銀メダルを獲得した稲見選手は1999年生まれの22歳。畑岡選手ら有力選手がそろう1998年度生まれの「黄金世代」と有力な若手がそろう2000年度生まれの「プラチナ世代」にはさまれ、みずからを「はざま世代」と呼んでいます。

ただ「誰にも負けたくない」と負けん気の強さで性格はストイックそのものです。

優勝した大会の翌日でも練習を欠かすことはなく、周囲からは「練習の虫」と呼ばれています。練習時間は1日10時間に及ぶこともあります。

持ち味はその豊富な練習量で磨き上げたショットの精度で、チャンスにつけるパーオン率は国内トップクラス、今大会でも第3ラウンドまでのパーオン率は79%と全体の3位で躍進を支えました。

前半のホールでティーの位置が前に出された第2ラウンドでは、正確なアプローチで次々とピンそばにつけてバーディー5つ、イーグル1つで6つスコアを伸ばし一気に順位を上げました。

最終ラウンドは後半の勝負所でも12番から4連続バーディーという圧巻のプレーを見せた稲見選手。

ゴルフ男子でプレーオフの末メダルに届かなかった松山英樹選手から贈られた「女子ではメダル獲得を」というエールを胸に、1年延期によって出場権を得た夢の舞台で積み重ねた練習が実を結び、ゴルフで男女を通じて日本選手初となる銀メダルを手にしました。

畑岡奈紗 メダルに届かずもみせた“力”

大会前の記者会見で畑岡選手は「オリンピックはプロになる前からの夢だった」と話しました。
名前の由来はNASA=アメリカ航空宇宙局。“誰にもできないことができるように”という願いが込められています。

その名前のとおり畑岡選手は17歳で日本女子オープンを史上初めてアマチュアで制し、アメリカツアーでも日本選手として最年少優勝。女子ゴルフの“黄金世代”を代表する存在として「誰にもできないこと」を次々とかなえてきました。

今シーズン序盤はスイングが安定せずに苦しみましたが、6月の海外メジャー大会の全米女子オープンで笹生優花選手とのプレーオフの末、2位に入る活躍を見せ、先月のアメリカツアーでは2年ぶりの4勝目をあげるなど、調子を上げてきました。

東京オリンピックでは男子の試合にも足を運んでメダル争いを目に焼き付ける姿は大会にかける思いの強さを伺わせました。

そして4日間のラウンドでは、スイングを修正するなど粘り強いゴルフで徐々に順位を上げました。

最終ラウンドに向けて「自信を持ってクラブを振り切りたい」と決意を語っていた畑岡選手。メダルには届きませんでしたが、日本女子のエースとして存分にその力を見せました。

【最終ラウンド プレー詳細】

<稲見萌寧の最終ラウンド>

<1番>バーディー(パー4)
1番パー4、ティーショットでフェアウェイをキープ。2打目でグリーンをとらえ、バーディーパットを決めてバーディー発進としました。通算11アンダーにスコアを伸ばしました。

<2番>ボギー(パー4)
2番パー4、ティーショットでフェアウェイをキープし、2打目でグリーンをとらえバーディーチャンスにつけました。しかし、ここからスリーパットでこのホールボギーとし通算10アンダーにスコアを落としました。

<3番>バーディー(パー4)
3番パー4、ティーショットでフェアウェイをキープし、2打目でグリーンをとらえてバーディーパットを決め、2つめのバーディーを奪いました。通算11アンダーにスコアを戻しました。

<4番>パー(パー3)
4番パー3、1打目でグリーンをとらえられず2打目もピンに寄せきれませんでした。しかし、パーパットを冷静に決めてスコアは通算11アンダーのままです。

<5番>バーディー(パー5)
5番パー5の3打目をピンそばにつけると冷静にバーディーパットを決め、通算12アンダーにスコアを伸ばしました。

<6番>ボギー(パー4)
6番パー4、ティーショットでフェアウェイをキープし、2打目でグリーンにのせましたが、ピンに寄せられませんでした。長い距離を残したバーディーパットは大きくショートし、パーパットも決められず、このホールはスリーパットでボギー。通算11アンダーにスコアを落としました。

<7番>パー(パー3)
7番パー3、ティーショットをピンそばにつけましたが、バーディーパットは決まらず、このホールをパーとしました。スコアは通算11アンダーのままです。

<8番>バーディー(パー5)
8番パー5、3打目をピンそばにつけてバーディーパットを決めました。通算12アンダーにスコアを戻しました。

<9番>パー(パー4)
9番パー4のティーショットでフェアフェイをキープしますが、2打目でグリーンをとらえられず、このホールはパーとしました。
前半を終えて、通算12アンダーとしています。

<10番>パー(パー3)
10番パー3の1打目でグリーンをとらえられず、このホール、パーとしてスコアは通算12アンダーのままです。

<11番>パー(パー4)
11番パー4のティーショットでフェアウェイをキープすると、2打目でグリーンをとらえます。しかしバーディーパットは決められず、このホール、パーとしてスコアは通算12アンダーのままです。

<12番>バーディー(パー4)
12番パー4のティーショットでフェアウェイをキープし、2打目をピンそばにつけると、バーディーパットを決めて、通算13アンダーにスコアを伸ばしました。
この時点でインドのアディティ・アショク選手とニュージーランドのリディア・コ選手、デンマークのエミリークリスティーネ・ペデルセン選手と並び、2位に浮上しました。
首位でアメリカのネリー・コルダ選手とは3打差です。

<13番>バーディー(パー4)
13番パー4の2打目をピンそばにつけると、バーディーパットを決めて、通算14アンダーにスコアを伸ばし、単独2位に浮上しました。
この時点で首位でアメリカのネリー・コルダ選手とは2打差に迫っています。

<14番>バーディー(パー5)
14番パー5でツーオンに成功するとイーグルパットを惜しくも決められませんでしたが、このホールをバーディーとします。稲見選手は3連続バーディーで通算15アンダーに伸ばし、単独2位に浮上して、この時点で首位のアメリカのネリー・コルダ選手と2打差に迫りました。

<15番>バーディー(パー4)
15番パー4のティーショットでフェアウェイをキープし、このホールもバーディーとして4連続バーディーで通算16アンダーにスコアを伸ばし、この時点で首位のアメリカのネリー・コルダ選手と1打差に迫りました。

<16番>パー(パー3)
16番パー3で1打目でグリーンをとらえられず、このホール、パーとしてスコアは通算16アンダーのままです。稲見選手はこの時点でニュージーランドのリディア・コ選手と並んで2位をキープし、首位のアメリカのネリー・コルダ選手と1打差です。

<17番>バーディー(パー4)
17番パーフォー、ティーショットを右のラフに入れましたが、2打目はピンそばにつけてバーディーパットを決めました。稲見選手はこの日8つめのバーディーで通算17アンダーにスコアを伸ばし、この時点でアメリカのネリー・コルダ選手に並んで、首位に浮上しました。

<18番>ボギー(パー4)
18番のパー4、2打目をバンカーに入れ、3打目はグリーンにのせましたが、寄せられませんでした。パーパットは決まらず、このホールをボギーとしました。
稲見選手は、18ホールを終えて通算16アンダーで、ニュージーランドのリディア・コ選手と2位に並び、銀メダルと銅メダルを争うプレーオフに臨むことになりました。

<畑岡奈紗の最終ラウンド>

<1番>パー(パー4)
1番パー4、ティーショットを右のラフに入れましたが、2打目をグリーンの脇に寄せました。3打目はパターでピンそばまで寄せてこのホール、パーとしました。

<2番>パー(パー4)
2番パー4、ティーショットを左のラフに入れましたが、2打目をグリーンそばにのせました。3打目のパットはカップに嫌われ、このホールはパーでした。

<3番>パー(パー4)
3番パー4、ティーショットを左のラフに入れましたが、2打目でグリーンをとらえました。3打目のバーディーパットをはずし、このホール、パーとしました。スコアは通算8アンダーのままです。

<4番>パー(パー3)
4番パー3、1打目をグリーンにのせることができず、2打目でグリーンにのせました。3打目のパーパットを決め、スコアは通算8アンダーのままです。

<5番>パー(パー5)
5番パー5、ティーショットでフェアウェイ、2打目もフェアウェイをキープしました。しかし、3打目でグリーンをとらえられず、4打目でグリーンの脇からパターでバーディーを狙うも届かず、このホールもパーとしました。スコアは通算8アンダーのままです。

<6番>パー(パー4)
6番パー4、ティーショットでフェアウェイをキープし、2打目でグリーンにのせました。しかし、3打目のバーディーパットははずれ、このホールもパーとしました。スコアは通算8アンダーのままです。

<7番>ボギー(パー3)
7番パー3、ティーショットでグリーンにのせられず、2打目でピンそばに寄せました。しかし、パーパットはカップに嫌われ、このホールはボギーとし、1つスコアを落として通算7アンダーとしました。

<8番>バーディー(パー5)
8番パー5、ティーショットでフェアウェイ、2打目もフェアウェイをキープしました。3打目でグリーンに乗せバーディーパットを決めて、この日初めてのバーディーを奪いました。スコアを通算8アンダーに戻しました。

<9番>パー(パー4)
9番パー4、ティーショットを左のラフに入れましたが、2打目をグリーンにのせました。3打目のバーディーパットは決まらず、このホールパーでした。
通算8アンダーで後半に入ります。

<10番>パー(パー3)
10番パー3のティーショットでグリーンにのせました。しかし、2打目のバーディーパットは届かず、このホール、パーとしました。スコアは通算8アンダーのままです。

<11番>バーディー(パー4)
11番パー4のティーショットでフェアウェイをキープし、2打目でグリーンをとらえました。そして、バーディーパットを決め、スコアを1つ伸ばし通算9アンダーとしました。

<12番>パー(パー4)
12番パー4のティーショットでフェアウェイをキープし、2打目でグリーンをとらえました。距離のある位置からのバーディーパットは惜しくもはずれ、このホールをパーとしました。スコアは通算9アンダーのままです。

<13番>パー(パー4)
13番パー4のティーショットでフェアウェイをキープし、2打目でグリーンをとらえ、ピンの近くにつけました。しかし、バーディーパットは惜しくもはずれ、このホールをパーとしました。スコアは通算9アンダーのままです。

<14番>パー(パー5)
14番パー5のティーショットで左のラフに入れ、2打目もラフでしたが、3打目でグリーンをとらえました。しかし、距離の長いバーディーパットははずれ、このホールをパーとしました。スコアは通算9アンダーのままです。

<15番>パー(パー4)
15番パー4のティーショットで右のラフに入れました。2打目でグリーンをとらえられませんが、3打目でピンの近くに寄せて、このホールをパーとしました。スコアは通算9アンダーのままです。

<16番>パー(パー3)
16番パー3の1打目でグリーンにのせましたが、距離のあるバーディーパットは届かず、このホールをパーとしました。スコアは通算9アンダーのままです。

<17番>バーディー(パー4)
17番パー4、ティーショットをグリーンにのせて、ワンオンに成功しました。イーグルパットはカップに届きませんでしたが、バーディーパットをきっちり決めて、スコアを1つ伸ばし、通算10アンダーとしました。

<18番>パー(パー4)
18番パー4、ティーショットでフェアフェイをキープし、2打目でグリーンをとらえました。バーディーパットを決めることができず、このホールをパーとしました。

畑岡選手は通算8アンダーの7位でスタートし、最終ラウンドはバーディー3つ、ボギー1つでスコアを2つ伸ばして通算10アンダーで競技を終えました。