お盆休み 帰省などピーク 新幹線や空の便は去年より増加

お盆休みの期間が始まり、帰省などで利用する下りの新幹線は7日がピークです。目立った混雑はないとみられる一方、指定席の予約は過去最低だった去年よりはやや増えていて、鉄道各社は車内ではマスクをして、会話は控えめにすることなどを呼びかけています。

JR各社によりますと、お盆期間の新幹線の指定席の予約は、7月19日時点で66万席と、新型コロナウイルスの感染拡大で記録が残る中で、最も少なかった去年より1割程度増えています。

一方、感染拡大前のおととしと比べると、予約は2割程度にとどまり目立った混雑はないものの、5日の時点で去年の予約と比較して
▽東北新幹線で166%、
▽上越新幹線で165%、
▽北陸新幹線で163%などとなっているため、
午前中を中心に空席が少ない列車があるとみられるということです。

このため、鉄道各社は車内や駅の消毒など、感染対策の徹底を図るほか、指定席の予約状況や車内の現在の混雑情報をアプリなどで配信していて、混雑する時間帯を避けて利用してほしいと呼びかけています。

また、車内ではマスクをして会話を控えめにするなど、引き続き、感染対策に気をつけながら利用してほしいとしています。

運転士や車掌への感染対策を強化

鉄道各社は、運転士や車掌などに感染が広がり運行に影響が出ないよう、対策を強化しています。

横浜市の京急電鉄は、運転士と車掌に携帯用のアルコールシートを配り運行スケジュールを示す「行路表」など複数の人が共有して使う備品の消毒など、感染対策を徹底しています。

また多くの運転士たちが、運転の合間などに待機部屋に密集してしまうこともあったため、7月から追加で待機部屋を設け、感染する人が出ても拡大しないようにしたということです。

去年12月からことし1月にかけては、都営地下鉄で、運転士など39人に感染が広がり、大江戸線で2週間余りの間、運行本数を通常の7割程度に減らさざるをえなくなるなどしているだけに、鉄道各社はお盆期間中も対策の徹底を心がけたいとしています。

国内の空の便 去年比およそ1.4倍増

お盆休みの期間の国内の空の便は、7日が下りのピークとなります。期間中の予約は、去年に比べおよそ1.4倍に増えていて、空港に設けられたPCRの検査施設には、多くの人が搭乗前の検査に訪れています。

国内の主な航空会社11社のまとめによりますと、お盆期間の6日から15日までの10日間に、国内の空の便を予約した人は7月29日の時点でおよそ164万人で、去年の同じ時期の1.4倍に増えています。

予約のピークは羽田や大阪から各地に向かう下りの便は7日、上りの便が15日となっていて、予約の増加について、航空各社は高齢者を中心にワクチンの接種が進み、祖父母のいる地方を訪れる家族連れが多いことなどが主な要因と分析しています。

羽田空港の国内線のターミナルには、乗客が搭乗前に利用する民間のPCR検査施設が設置されていて、7月中旬までの検査数は1日平均1000件ほどでしたが、下旬からは1日1500件ほどに増えています。

これまでは、出張中の会社員などによるビジネス目的での検査が多くを占めましたが、最近は若い世代や家族連れが帰省などの目的で検査することが増えているということです。

PCR検査を受けて沖縄に帰省するという20歳の男子大学生は「検査を受けずに帰ると自分や親も不安だと思い、受けることにしました。大学の寮で毎朝、体温測定が義務づけられているので、帰省してもしっかり続けて、感染に気をつけて過ごします」と話していました。

2歳と4歳の子どもを連れて熊本に帰省するという30代の女性は「コロナの感染が拡大してから会っていないので、親に子どもの顔を見せたいです。検査を受けて陰性と分かれば安心できるかなと思っています」と話していました。